インド太平洋地域のディスインフォメーション研究シリーズ Vol.5
韓国のフェイクニュース対策(上):日本とは様相が異なる韓国の現状
- サイバー・軍事・地政学
- 朝鮮半島
関西大学社会学部メディア専攻 准教授
水谷 瑛嗣郎
インド太平洋地域のディスインフォメーション研究シリーズ掲載のお知らせ
この度、IINA(国際情報ネットワーク分析)では、笹川平和財団プロジェクト「インド太平洋地域の偽情報研究会」(2021年度~)において同地域のディスインフォメーション情勢について進めてきた調査研究と議論の成果を「インド太平洋地域のディスインフォメーション研究シリーズ」として連載いたします。IINA読者のご理解のお役にたてば幸甚です。
はじめに
本稿は、韓国におけるフェイクニュースの状況と、それに対応する諸制度を紹介し、我が国における表現環境および民主政システムとの比較的視点から、僅かながらではあるが何らかの示唆を得ようと試みるものである。
上編では、韓国における民主政システムに付随したインターネットの利活用の状況及び流通するフェイクニュースの傾向を明らかにする。中編では、フェイクニュースに対応する法制度と、近年論争が巻き起こった言論仲裁法の改正動向をめぐる議論を紹介する。後編では、法制度が及ばない課題を概観したうえで、我が国に対する若干の示唆を抽出したい。