事業概要
本事業は、カンボジアにおいて円滑な行財政運営を可能にするために、カンボジア政府の中堅公務員を対象にワークショップや研修を通じて政策立案・実施能力の向上を図ることを目的とする。最終年度にあたる本年度は、各中央省庁の部長・課長クラス60名を対象に、自己啓発や人事評価に重点を置いたワークショップを1回開催する。また、ワークショップ参加者の中から、特に優秀とみなされた10名を選抜し、人材開発や組織マネジメント能力向上のための海外視察研修を1週間実施する。各種の課題解決に資する地方公務員向けの研修教材を作成するために、カンボジア国内の専門家と、日本やシンガポールなどから派遣する専門家が、地方行政のニーズ調査を協働で実施する。
実施計画
最終年度として今年度は、下記の活動を行う。
- 教材開発および能力向上ワークショップ実施(行政改革評議会(CAR)に業務委託)
- ワークショップの開催(1回、於CAR)
各中央省庁の中堅幹部を対象に、参加者の自己啓発や人事評価に焦点をあて実施する。講師陣は日本を中心にシンガポール、韓国などから専門家を派遣し、組織マネジメント、業績評価、キャリア開発をテーマとした講義、Q&Aセッション、グループ討議を行う。
- 海外視察研修(1回、於日本)
上記のワークショップ参加者の中から優秀者10名を選抜し、人材開発や組織マネジメントの能力向上を目的に、日本での視察研修を実施する。具体的には、人づくりの重要性をコンセプトとして、政府機関や民間企業を視察する。
- 地方公務員向けの教材開発(2回、於CAR)
CARなどのカンボジア関係者と、日本やシンガポールの専門家が、地方自治体のニーズ調査、整理および教材開発のための会合を開催、地方公務員のニーズに沿った教材を作成する。具体的には、地域住民からの苦情処理などの事例を取り上げ、インターネットなどの通信状況が悪い地方の状況をかんがみ、紙媒体での教材開発を主体とする。
- 調整およびモニタリング
事業を効率的に運営するための調整およびモニタリングを行う。
実施内容
中堅公務員対象のワークショップ
2012年9月17日から20日まで、カンボジアの首都プノンペン市で公務員の能力向上を目的としたワークショップを開催しました。各中央省庁から部課長級幹部職員60名が参加し、日本やシンガポールの講師から組織におけるコミュニケーション論、リーダーシップや業績評価など、組織マネジメントについて学びました。質疑応答の時間には、組織力を高めるための望ましいマネジメントについて活発な議論が行われ、参加者は組織力向上のための知識を深めることができました。

ワークショップでの講義

グループ・ディスカッション
事業成果
事業実施者 |
笹川平和財団
行政改革評議会(CAR;Council for Administrative Reform/カンボジア)
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年数 |
3年継続事業の3年目(3/3) |
形態 |
自主助成委託その他 |
事業費 |
10,500,000円 |