笹川中欧基金の歩み

基金概要

名称 笹川中欧基金
The Sasakawa Central Europe Fund (SCEF)
設立年月日 1991年3月
対象国 ポーランド・ハンガリー・チェコ・スロバキア
所在地 〒107-8523 東京都港区赤坂1-2-2 日本財団ビル4階 笹川平和財団内

笹川中欧基金は1990年、日本財団からの40億円の基金寄付により笹川平和財団内に設立され、1991年より事業を開始しました。中欧基金設立の目的は、90年代の初頭、政治的には民主主義への移行、経済的には市場経済への移行に直面したポーランド・チェコ・スロバキア(93年まではチェコスロバキア)・ハンガリーの中欧4カ国に対する日本の民間ベースの支援と日本・中欧諸国の友好協力関係を促すためでした。

最初の10年間の活動は、中欧4カ国から日本への人物招へい、市場経済移行支援、市民社会の形成とNGO支援という3つのプログラムで実施しました。日本への人物招へいでは、10年間に200人を上回る政治家、学者、ジャーナリスト、NGO関係者など広範な分野から人々が訪日し、現代日本の発展経験に直接触れる機会を提供しました。このような経験は中欧4カ国の民主化の定着や市場経済の導入に参考になったものと思われます。

中欧4カ国の市場経済への移行と定着のためには、中・高校生や一般の人々を対象にした市場経済解説のTV番組や、中欧各国の専門家チームが夫々の独自の視点から現代日本を分析し、各国の状況に参考になる日本の経験をTV番組に作成するなどのプロジェクトを実施しました。

中欧4カ国の市民社会の形成とNGO支援においては、ポーランドとスロバキアにおける青少年財団の設立支援、スロバキアの外交政策評議会の設立と外交政策プログラムの支援、チェコ・スロバキア・ハンガリーにおけるNGOサポートセンターの設立とその後の活動への支援、また環境分野における優れたNGOを対象とした笹川中欧環境賞の授与等のプログラムを展開しました。

中欧諸国の政治・経済・社会面での激動の10年間を通じて民主主義、市場経済、市民社会に必要とされる新たなシステムや制度・組織の導入や設立に日本からユニークでカタリスティックな貢献ができました。そして、このような貢献を可能にした中欧諸国における多くの友人や仲間達に感謝します。

2000年秋、笹川中欧基金は設立10年の経験を総括し、今後の中欧諸国の発展のために第2次プログラム・ガイドラインを作成しました。このプログラム・ガイドラインの改定は、移行期10年を迎えた中欧諸国の新たなニーズ、役割に対応したものでした。第2次ガイドラインは、日本と中欧諸国の相互人物交流、世界の中での中欧諸国の新たな役割、市民社会形成のためのNGO支援という3つの枠組みから構成され、これらの枠組みにそって、様々な事業を実施、助成しました。

しかし、2004年5月に事業対象国4カ国全てがEU加盟を果たし、政治面で民主主義体制が定着、経済面では市場経済システムが機能するようになりました。このような現状に鑑み、笹川中欧基金は当初の目的を果たしたとの認識に至り、2009年3月を以て、その役割を終えることを決定しました。これまで笹川中欧基金の諸活動にご支援・協力を頂きました皆様に対し、深甚なる感謝の意を表します。

笹川中欧基金の歩み

  • ご挨拶
  • 基金概要
  • ガイドライン
  • 事業検索
  • 出版物
  • 基金の成果

このページのトップへ