古くは、享保4(1719)年、無人の乗捨船から米を取り、籾米をもやして谷間に二粒三粒と蒔きつけたという記録がある。その後、1830(天保元)年にハワイから入植した欧米人らによって、玉ねぎやカボチャ、スイカ、サツマイモなどが栽培された。コーヒーや胡椒は、風水害の影響で枯死したとされる。1853(嘉永6)年にペリーが島民に分配した野菜の種子は、島民によって栽培された(Ref. 1)。
1862(文久2)年に行われた栗田萬次郎の調査では、カボチャや馬鈴薯、胡瓜などの野菜のほか、檸檬や鳳梨(パインアップル)などの果実や煙草の栽培が報告されている(Ref. 1, 2)。これらの農作物は、移民や捕鯨船によって移植されたもの、あるいはペリーから分配されたものであった(Ref. 1)。
Ref.1:山方石之助 編『小笠原島志』(1906年)pp. 579-582
Ref.2:「小笠原」『小笠原島紀事』巻11
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