父島列島の地質

  • 2020年05月18日

父島列島は約4,800万年前に開始した海底火山活動によって形成された。無人岩(ボニナイト)と呼ばれる特異な火山岩類のほか、島弧ソレアイト質の火山岩からなり、太平洋プレートが沈み込みを開始した初期に噴出したマグマの特徴を示す岩石で構成されている(Ref.1)。

父島の海底火山活動は約4,400万年前に終了したとされ、漸新世(3,750-2,250万年前)ころまでに一旦陸化し、その後、造礁生物による石灰岩が堆積したと考えられている。父島の南西に位置する南島から父島南崎の一体に分布する石灰岩層に含まれる浮遊性有孔虫化石の分析により、石灰岩は3,400万~2,700万年前に堆積したものと考えられている。なお、小笠原諸島は、無人岩(ボニナイト)が陸上で観察できる最大の露出地である(Ref.1, 2)。