本号は太平洋地域、地中海、東シナ海、南シナ海、エーゲ海における島嶼の問題を取り上げている。いずれの島嶼問題も国家主権との関係で解決が難しく、諸国は外交政策を尽くして領有権の主張と発信を繰り返している。
【論説】では、南太平洋諸国の外交姿勢、特に対中国について解説した『太平洋の島嶼地域情勢―中国の思惑と島々の心情を読む』と、スペイン、モロッコ間の島嶼紛争を概説した『2002年のペレヒル島「危機」について』を掲載。
【インサイト】は、エーゲ海におけるトルコとギリシャとの間の島嶼問題について論じた3点を掲載。また南太平洋地域(メラネシア、ポリネシア、ミクロネシア等)に眼を向けるべきという提言も掲載した。
【島嶼問題コラム】には、昨年12月に公開された「領土・主権の内外等の発信に関わる有識者懇談会」の成果報告書とともに、日本政府による尖閣諸島調査活動紹介の後半を掲載した。また前号に引き続き尖閣諸島調査に参加した筆者による記録・写真をまとめた『魚釣島・南小島・北小島での日本政府の利用開発可能性調査のあらまし』を収録した。
詳細
島嶼研究ジャーナル第12巻2号 (2023年5月12日)

本体1000円+税
発 行 所 島嶼資料センター
印刷・販売 内外出版株式会社

日本の島嶼領土
尖閣諸島・竹島・北方領土
パンフレット

- 簡潔にまとめました
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インフォ・ライブラリーは、尖閣諸島、竹島、北方領土(択捉島、国後島、色丹島及び歯舞群島)が歴史的にも国際法的にも日本の領土であることを分かり易く紹介しています。これらの日本の島嶼領土の法的地位、地理、歴史的経緯などの正確な理解に是非お役立てください。
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尖閣諸島 Facts&Figures
2014年12月29日更新

(古賀花子氏提供 那覇市歴史博物館蔵)
尖閣諸島は、日本政府が現地調査を行い、無人島であるだけでなく清国の支配が及んでいる痕跡がないことを慎重に確認した上で、1895年1月14日、現地に標杭を建設する旨の閣議決定を行い、正式に日本の領土に編入されました。この行為は、国際法上、正当に領有権を取得するためのやり方に合致しています(先占の法理)。
尖閣諸島Facts & Figures(F&F)は、尖閣諸島に関する精確な事実関係を明らかにし、同島が歴史的にも一貫して日本の領土であることを理解するため、公文書、現地調査報告書などの「事実情報」を掲載しています。
竹島 Facts&Figures
2014年12月29日更新

出典:大阪朝日新聞(1934年撮影)
竹島は、1905年1月、日本政府の閣議決定により「竹島」と命名され、「隠岐島司ノ所管」になりました。この閣議決定により、日本は竹島を領有する意思を再確認し、島根県は竹島を官有地台帳に登録しています。それ以降日本は、竹島を平穏かつ継続して実効的に支配してきました。
竹島Facts & Figures(F&F)は、竹島に関する精確な事実関係を明らかにするため、および同島が歴史的事実に照らしても、国際法上も明らかに日本固有の領土であることを理解するため、公文書や調査報告書などの「事実情報」を掲載しています。
北方領土 Facts&Figures
2014年12月29日更新

択捉島、国後島、色丹島及び歯舞群島からなる北方領土は、これまで一度も他国の領土となったことがない、日本固有の領土です。第二次世界大戦終了後、ソ連は、北方領土のすべてを占領し、法的根拠なしに一方的に自国領土に編入し、北方領土の居住していた全ての日本人(約1万7千人)を強制的に日本本土に引き揚げさせました。
北方領土Facts & Figuresは、北方領土に関連する歴史的経緯や地理的環境を紹介するために、国際的文書、公文書、調査報告書などの「事実情報」を掲載しています。また掲載している写真は、往時の人々の暮らしぶりを浮かび上がらせています。