アクティブ・エイジングを考える
福岡で第2回アジア・インパクト対話

アジア・インパクト対話に参加したアジアの専門・実務家ら

アジア・インパクト対話に参加したアジアの専門・実務家ら

 笹川平和財団(東京都港区、田中伸男会長)と特定非営利活動法人アジアン・エイジング・ビジネスセンター(福岡県福岡市、小川全夫理事長)は、8月29日から3日間にわたり、福岡市で「アジア・インパクト対話」を開催しました。「老いるアジアの選択肢―社会資源としての高齢者像に向けて」をテーマにしたシンポジウムなどを通じ、日本とアジアにおけるアクティブ・エイジング(高齢者の活躍)のための取り組みと課題を中心に議論しました。

  シンガポールやタイなど多くのアジア諸国では、世界一の高齢社会である日本を上回るスピードで少子高齢化が進んでいます。国連の推計によると、東・東南アジアにおける総人口に占める65歳以上の割合は、2015年の時点で10.6%ですが、2050年には30.6%を超えると予測されています。今回のシンポジウムには、アジア9カ国の専門・実務家21人と、「福岡健康先進都市戦略」(福岡100)を推進する福岡市などの関係者が集い、アクティブ・エイジングに焦点を当て、相互に取り組みを紹介しました。

 30日、シンポジウムの開会に当たり、笹川平和財団の大野修一理事長は「福岡市は人生100年時代を見据え、高齢者の活躍に注目し、自治体ぐるみで取り組みを実践する日本有数の都市です。アジアの高齢化問題の専門家、実務家の皆さんに、福岡市の取り組みをぜひ知ってもらいたいと考え今回、福岡市での開催を企画しました」と挨拶しました。

 さらに「今回の会議は『アジア・インパクト対話』という笹川平和財団の新しい事業の一環として開催するものです。これは日本とアジアの共通課題に、日本が『課題先進国』として有する経験や教訓を生かし貢献することを目指す一方で、日本もパートナーであるアジア諸国の一員として、他のアジアの国々の取り組みから学んでいきたいという相互対話の試みです。 日本は高齢化の『課題先進国』としての先頭を走っているわけですが、他のアジアの諸国でも高齢者が非常に大きな社会の人口を占めるようになったとき、従来のように高齢者をケアする対象ととらえるのか、それとも発想をがらりと転換して、元気で活躍する存在ととらえるのか、ということが、これからアジア諸国でも非常に大きな問題になると考えています」と提起しました。

 続いて福岡市の永渕英洋・保健福祉局長が、高島宗一郎市長のメッセージを代読しました。この中で高島氏は「日本では高齢化が急速に進んでおり、国内の他の都市に比べ高齢化が遅い福岡市でも昨年、高齢化率が21%となり、超高齢社会に突入しました。福岡市は昨年3月に『健康先進都市戦略』を打ち出し、人生100年時代へ向けて、人も街もどちらも幸せに暮らせる社会の実現を目指すプロジェクト『福岡100』に取り組んでいます。2025年までに100のアクションを推進し、アジアはもとより世界のモデルとなる超高齢化対応の街づくりを進めています」と説明しました。
シンポジウムで、さまざまな取り組みを紹介する福岡県と福岡市の関係者

シンポジウムで、さまざまな取り組みを紹介する福岡県と福岡市の関係者

 シンポジウムでは「老いる福岡市の今後」と題し、福岡県と市から最新の取り組みが紹介されました。

 高齢者が多様な活躍の機会を得られるよう、就業や社会参加を支援している「福岡県70歳現役応援センター」の野田亮子所長は、「元気で社会参加意欲が高い高齢者が増えている」とし、高齢者の約7割が70歳以降も働きたいと考えていることを指摘。「70歳現役社会」の実現を目指し、高齢者の意欲やニーズに応え、高齢者が「支えられる側」から「支える側」に変わる施策が必要だと強調しました。

 応援センターの取り組みとして、2012年4月の開所以来、①高齢者の求人開拓②70歳まで働ける企業の拡大③企業などの意識改革④「ふくおか子育てマイスター」の拡大―などに取り組んでいることを紹介しました。
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