「人口変動の新潮流への対処」事業研究 『外国人の就労をめぐる実態調査-事例集-』


カテゴリー区分 調査報告書
一般/基金区分 一般事業
発行 2011.04
著者/編者 笹川平和財団
金額 無料
備考 A4版、690g、厚さ1.3cm 


 笹川平和財団「人口変動の新潮流への対処」事業では、2008年からの3年間の研究・報告書の中で、日本における外国人労働者政策の展開を整理し、その制度的機能を考察してきました。しかし、政策と現実の乖離という不可避性は、受け入れの是非や制度設計を論じるに先んじて、日本という異国に渡って暮らし働くということの固有の経緯や具体的な経験をめぐる理解を、わたしたちに要請します。
 本事業のなかに組織された「実態調査班」の調査を通じて、在日外国人(非日本国籍保有者)の雇用形態や就労状況の多様性を理解するため、とりわけ在日外国人就労者の非メインストリーム的存在やこれまで着目されてこなかった事例の「掘り起こし」を試みました。

 本事例集は、その報告を横断的にまとめたものです。

 「実態調査班」は22名によって構成され、日本で働く外国人に関する33の事例について、2010年4月~12月の間に調査をおこないました。日本で働く外国人、そして可能な場合には雇用主やステークホルダーを対象として、雇用環境や現行の制度をめぐる彼らの現状認識を探りました。むろん、200万人を超える在日外国人のうち、そのごく一部の、さらに断片的な状況にもとづいた知見に過ぎません。
 とはいえ、外国人の日本における就労は、ホスト国の経済社会の変化に応じてその形を変えていく時事性が強い現象です。その生々しい実情を、様々な産業や職業にわたって、つまり領域横断的に追い続け、日本の労働市場が国際化していく現実の一端をとらえることは、決して無駄な作業ではないでしょう。
 事例には、難民申請者の就労実態も含まれています。日本における難民申請者は欧米のそれに比べて多くはありませんが、2010年から「第三国定住」プログラムを開始しており、難民を受け入れ、教育と雇用を通じて自立させるという課題に、恒常的に直面することとなりました。日本において難民の受け入れをめぐる課題は、今も山積しています。
 外国に出自を持つ移住者であるということは、異国で生きていくうえで、プラスになることもあればマイナスになることもあります。いずれにしても、彼らの判断と振る舞いのなかには、日本社会の「今」がよく映し出されています。このホスト社会が抱えている課題は少なくありません。高齢化が世界の先頭をきって深刻化し、農村や地方都市の過疎化が止まらないなかで、限られたリソースを用い、企業や大学や地域社会は、いかに活力を維持し、再生を果たしうるのでしょうか。外国から日本へと渡り、住み、学び、働くものたちは、その挑戦、成功と挫折のうちに、はからずもこの国の将来のありようを、さまざまな角度から問い直し続けています。
※配布終了

◇問い合わせ先 
 笹川平和財団 国際事業部
 電話番号:03-5157-5140
 FAX番号:03-5157-5158
実態調査は、8つの分野(農業・漁業、加工業・電設業、医療福祉分野、IT分野、教育分野、留学と就職、エスニック・ビジネスと起業、それ以外の分野)を対象としています。ただしあくまでも便宜上の分類です。
     第1章
日本の伝統的産業である漁業や農業を取り上げています。高齢化とともに地域コミュニティの過疎化が進むなかで、あるいは食料の自給自足問題との関係から、外国人労働者の受け入れをめぐる是非論が再燃するであろう産業分野です。
     第2章
南米系日系人の就労を主に取り上げています。ただし彼らが従来集中していた機械部品の組み立てを中心とする作業現場ではなく、加工業や電設業に携わるものの様子が考察されています。南米系日系人の多くが職を失ったリーマンショック後という時代のなかで、日本の労働市場における彼らの位置づけに改めて目を向けた調査報告です。
     第3章
医療福祉分野における外国人の就労を取り上げています。高齢化社会において、さらに多くの労働需要が生まれている職業分野であり、その多様な現状と現場のニーズを、問題点とともに把握しておく必要があるでしょう。
     第4章
IT分野で活躍する来日外国人を取り上げています。近年、日本経済に活力をもたらすと期待され、政策的にも受け入れの促進が求められている対象です。本調査では、一国経済の競争力強化に資するという側面よりはむしろ、地域経済の活性化という観点から検討が加えられています。
     第5章
教育分野で就労する外国人を取り上げています。ここでは、英語教育に携わる来日フィリピン人も多く登場します。フィリピン人は、かつてであればエンターテイナーや日本人の配偶者であることが一般的でしたが、日本の国際化を担う「人材」としての要素も多く備えています。
     第6章
日本で学ぶ留学生や、日本での就職活動に苦労する彼らの状況を取り上げています。留学生は、日本政府が「人材予備軍」と位置づけ、誘致を進めている対象です。ただし「入口」を広げ受け入れを促進する一方で、大学教育の内容や就職というプロセスや「出口」をめぐる課題は今も多く残っています。
     第7章
通常の産業や職種にもとづく分類ではなく、移住者のエスニック性を前提として成立する、または成立しやすい事業について取り上げています。
     第8章
以上に扱ってきた1から7までの分野には含まれない事例を扱っています。政策のありかたを考察するうえで、日本で働く外国人の境遇の多様さを知ることは有用です。
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