事業紹介

2011年
事業

ミクロネシア海洋保護区モデル構築のための総合的研究

事業実施者 笹川平和財団(日本) 年数 2年継続事業の2年目(2/2)
形態 自主助成委託その他 事業費 14,251,083円
事業内容
本事業はミクロネシア地域において、海洋生物多様性の保護および資源の持続的利用を促すために、住民のニーズや地域の歴史的背景に配慮した海洋保護区モデルの構築を支援するものである。なお現在のミクロネシア地域の海洋保護区は、「欧米型」の生物多様性保護に重点が置かれているが、本事業では地域住民の生活や文化が水産資源に大きく依存している点を配慮し、資源の持続的利用を目的とした「アジア太平洋型」海洋保護区の設定を検討する。
実施計画
2年事業の最終年度である本年度は以下の活動を実施する。  海洋環境委員会の開催(5回) 第1回委員会(2011年5月頃開催):年間計画の確認、調査地域の選定などを行う。 第2回委員会(2011年7月頃開催):島嶼国の実務家8名程度を招へいし、ヒアリングを実施する。 第3回委員会(2011年9月頃開催):課題別現地調査の準備と最終報告に向けての調整。 第4回委員会(2012年1月頃開催):総合的検討と最終報告作成の準備。 最終報告会(2012年3月末):海洋環境関係機関などに成果を公開する。 現地調査(委員による調査2回、職員による調査4回) 委員による課題別の現地調査(2011年8月頃および11月頃、於 ミクロネシア)を2回実施し、最終報告を取りまとめるための研究を行う。また財団職員による調査を4回程度行い、基礎情報の収集活動や事業運営のための連絡調整を行う。 最終報告書作成 第4回委員会を経て、2012年3月初旬までに、海洋保護区モデルの構築に関する総合的な研究の成果を盛り込んだ最終報告書を作成する。報告書の内容は上述の最終報告会で海洋環境関係機関などと共有する。
事業成果
2011年4月から8月には委員会会合や海外の専門家招へいなどにより、対象をパラオの3地域に決定し、課題の抽出を行いました。同年9月からは委員による課題別現地調査を現地関係者とともに4回実施し、保護区の現状と課題について解明しました。 2012年3月には、同委員会によるパラオ型総合的海洋保護区モデルとその報告書が完成しました。このモデルは陸域と沿岸域を陸上集水域、河川、マングローブ、海草帯、サンゴ礁の連続帯として捉え、伝統文化・社会、持続的財源、ステークホルダー間のネットワーク、各保護区間のネットワークを考慮したものであり、パラオだけでなく同様の地形を持つ小島嶼地域に応用できるものです。このモデルにより、生物多様性の保全と資源の持続的利用の効果を上げ、持続可能な未来島嶼社会への貢献が期待できるものとなりました。
(左)ロックアイランド管理区域  (中)地域住民へのインタビュー  (右)堆積物調査の様子

(左)ロックアイランド管理区域  (中)地域住民へのインタビュー  (右)堆積物調査の様子

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