事業紹介

2015年
事業

モンゴルへの日本式高専教育導入

事業概要

本事業は、工業技術大学(IET)の高専モデルコースの教育・運営を実務的に指導しながら、本格的な日本式高専教育システムが、モンゴル政府自身の手によって定着するよう継続的支援を行うことを目的としています。
【事業計画】  ➣ 日本人専門家の工業技術大学への短期派遣  ➣ 工業技術大学教職員の訪日研修

事業活動
事業実施者 笹川平和財団 工業技術大学(IET)(モンゴル) 年数 3年継続事業の2年目(2/3)
形態 自主助成委託その他 事業費 19,200,000円
工業技術大学(モンゴル)教職員が日本の高専で研修を受けました

2015年5月12日から25日の間、工業技術大学(IET)のプレブドルジ・ムンフバヤル副校長、バンザラグチ・ガンゾリグ先生(数学)、ウランバヤル・バヤルバト先生(情報)の3名が来日し、苫小牧高専と福井高専にて研修を受けました。この研修では、日本の高専の協力と支援を得て、専門科目の授業、研究施設、実験、教材、教育制度などを理解することを目的としています。 両高専では、日本式高専の教育システムや運営、各科目の教育内容やカリキュラムの作成方法、生徒への生活指導など、モンゴルで高専教育を導入するうえで必要な事柄を学びました。苫小牧高専では実験室での授業を視察し、実験を使った教授法について理解を深めました。また、福井高専では、高専教育に関する研修のほかに、インターンシップを取り入れた進路指導や、地域企業の連携を通じた地域貢献の実例などについても確認しました。

モンゴルHP用写真④.pngモンゴルHP用写真⑤.png

木工技術の日本人専門家を工業技術大学(モンゴル)へ派遣しました

5月15日から6月1日の間、都立産業技術高専「ものづくり教室」講師であり、また株式会社 続 取締役社長の武田三夫氏をモンゴルの工業技術大学(IET)に派遣しました。武田氏は、IETの「高専モデルクラス」の学生に日本の優れた木工技術を紹介し、実習教育を行いました。この授業を参観したIETの教員は、自らも日本の技術を学び、効果的な教授法について理解を深めました。 モンゴルにおける木工技術の現状を考えて、武田氏は「のみ」や「かんな」「差し金」「墨壺」「砥石」など、日本式工具をモンゴルへ持参しました。学生達は、「のみ」の研ぎ方や、木材の寸法の取り方、溝切り加工など、道具の使い方や木工技術を一から学び、実習教育の成果として、学生全員が力を合わせて頑丈な本棚を完成させました。

モンゴルHP用写真①.pngのサムネイル画像モンゴルHP用写真②.pngモンゴルHP用写真③.pngのサムネイル画像

環境都市工学の専門家をモンゴルの工業技術大学へ派遣しました
8月29日から9月16日の間、苫小牧工業高等専門学校環境都市工学科の栗山昌樹教授をモンゴルの工業技術大学(IET)へ派遣しました。栗山教授はIETの「高専モデルクラス」の学生へ水理学の講義を行ったほか、IETの実験施設やウランバートルの土木施設を視察し、モンゴルにおける土木教育の課題やその解決策についてIETの教職員とともに検討しました。 「高専モデルクラス」への水理学の授業では、学生の理解度を上げるため復習を重ね、関数電卓を所有していない生徒も計算ができるように、三角関数表や対数表を配布するなどの工夫を凝らし、計算問題を取り入れた教育を行いました。 また、高専教育の特徴でもあるフィールドワークや大きな実験施設での体験的な教育を行うための設備が不足している現状を踏まえ、IETに併設する職業専門学校や近郊の土木施設を活用することを提案するなど、モンゴルにおける高専教育発展のため、IET教職員らと意見交換を行いました。

HP用①.pngHP用②.png