事業紹介

2014年
事業

インド国会議員戦略対話

事業概要
本事業は、インドの国会議員を日本に招へいすることによって、インド国会議員と日本の政財官などとの交流の場を設け、日印間協力体制の強化、新規のパートナーシップの構築、相互理解の促進を図ることを目的としています。
事業活動
事業実施者 インド産業連盟 (CII)(インド) 年数 3年継続事業の2年目(2/3)
形態 自主助成委託その他 事業費 6,198,361円
インド国会議員団が訪日しました
2014年10月14日から5日間の日程で、超党派で構成されたインド国会議員団(5名)が訪日しました。(訪問都市:東京・静岡) 世界の総人口の17%、約10億人を抱えるインドは、すでに中国、米国に次ぐ、世界屈指のエネルギー消費国であり、世界第4位の発電国ともなっています。その高い経済成長に伴い、インドのエネルギー消費量は今後も増加の一途をたどることが予想されています。その一方で、インドのエネルギー自給率は約7割に過ぎず、それも年々低下傾向にあります。将来のエネルギー不足が懸念されることから「エネルギー問題(再生可能エネルギーとクリーンエネルギー)」を課題に訪日プログラムが組まれました。
一行は、「資源エネルギー庁」「浮島太陽光発電所(東京電力)」「磯子火力発電所(電源開発)」を訪問し、日本のエネルギー政策や再生可能およびクリーンエネルギーについて説明を受けたほか、施設の視察を行いました。また、城内外務副大臣への表敬訪問、日印友好議員連盟との会合などを行ったほか、浜松において、スズキ株式会社の工場視察や鈴木会長への表敬訪問を行いました。 また「日印関係の新たな可能性―エネルギー問題の観点から―」と題したインド国会議員団訪日記念講演会を開催し、訪日団団長のヴィジェイ議員がインドのエネルギー問題と日本との関係強化の可能性について講演いたしました。
インド国会議員訪日記念講演会「日印関係の新たな可能性 ―エネルギー問題の観点から―」サマリー
2014indiaMP01.JPG笹川平和財団は、「インド国会議員戦略対話」事業の一環として、「日印関係の新たな可能性―エネルギー問題の観点から―」と題した記念講演会を10月16日に、都内にて開催しました。本事業では、インドでの6月の政権交代後初めて、5名の現職の国会議員の方を日本にお招きしており、本講演会では議員団団長のタルン・ヴィジェイ インド国会上院議員(インド人民党)から講演を頂戴致しました。また、モデレーターとして、一般財団法人日本エネルギー経済研究所の伊藤庄一研究主幹をお招き致しました。
ヴィジェイ上院議員から、インドにおけるエネルギーを取り巻く状況と、日印関係におけるエネルギー分野での協力の可能性について講演がなされました。最初に、インドがすでに世界第4位のエネルギー消費国であり、2030年までに一次エネルギー需要が現在より倍増するという予測をうけ、あらゆるエネルギーについての協力が必要である点を強調されました。その後、すでに行われている政府間でのエネルギー対話や民間レベルでの協力の実例についての紹介後、クリーンコールテクノロジーや高効率の太陽光発電等の再生可能エネルギー技術、さらに原子力の民間平和利用といった日本が有する高度なエネルギー技術への期待と、包括的かつ戦略的な協力の重要性について触れられました。エネルギーという技術色の強いテーマ設定であったこともあり、全体を通し、個別技術に触れる機会が多い中、ヴィジェイ上院議員は、その技術協力の背景にあるべき資源大国であるインドと技術立国である日本との「信頼」の重要性について、改めて指摘されました。 モデレーターの伊藤研究主幹からは、エネルギー政策の専門家として、日印間のエネルギー分野での更なる協力関係のための論点整理がなされました。まず、インドにおけるエネルギーの需給ギャップがこれから加速度的に拡大することをうけ、オイルショック以降の日本の省エネルギーの経験が非常に重要な役割を果たすという可能性を強く示唆されました。また、原子力技術の平和利用については、核不拡散条約との関係も含め、インドには世界の模範となってもらいたいとの期待が寄せられました。エネルギーの安全保障という視点では、中東から東アジアまでのシーレーンの重要性に着目し、日印のみならず、マルチの枠組みについての可能性にも触れられました。 2014indiaMP02.JPG