事業紹介

2012年
事業

中東政治変動への情報能力強化

事業実施者 笹川平和財団 年数 3年継続事業の1年目(1/3)
形態 自主助成委託その他 事業費 9,863,661円
事業概要
前年度において、パイロット的に単年度事業として「中東政治変動への対応」事業を実施した。日本では、「アラブの春」以後、中東情勢への関心が高まり、今後の動向について、適切に把握する必要性が高まっている。そのため、グローバルな視点から欧米(英・米・露)、アジアなどの第一線で活躍している中東専門家を招へいして講演会を開催した。このパイロット的な活動には、多くの人々から関心が寄せられ、他に例が少ないことから、多数の参加者を得ることができた。この結果を受け、本年度から3年間継続事業として実施する。
 本年度は、アメリカ、オーストラリア、アジアから安全保障、国際経済などの第一線の専門家を招へいし、「中東イスラム政治変動情勢講演会」を開催。日本の人々に多様なアプローチと世界的な観点から中東情勢に関する情報把握と動向分析を提供する。また招へい者は、クローズド形式の研究会で日本の若手研究者を対象に講義を行う。中東諸国に関する知見と経験を有する招へい者と日本の若手研究者との議論を通して、「アラブの春」以降の中東情勢の推移を整理し、今後の展望を図る。
実施計画
3年継続事業の初年度にあたる本年度は、下記の活動を行う。
  • 中東イスラム政治変動講演会(4回、海外招へい者9名)
    • 世界的な視点から見た中東情勢について、政治、経済、国際関係、安全保障などの第一線の専門家を以下の地域から招へいする。講演会は中東地域の最新の情報把握や動向分析をテーマに公開で実施する。併せてメディア懇談会を開催し、中東情勢に関するニュースソースを提供する。
      招へい者は、a)米国;国際戦略センター(2名)、b)アジア;インド戦略研究所(2名)、c)オーストラリア;国立大学(2名)、d)湾岸地域;アブダビ戦略研究所(3名)を予定している。
    • YouTubeによる動画配信
      中東政治変動に関心のある人々に向けてYouTube等を利用して講演会ダイジェスト動画を配信する。
    • 提言書作成の準備
      招へいした海外専門家による動向分析などを基に、当基金アドバイザー、研究者、実務家の協力により整理、再構築を行い、最終年度の提言書作成に向け、中間報告書を作成する。
  • 中東イスラム専門家研究会(4回) 
    海外招へい者と日本の若手研究者が、中東情勢の現状分析および将来の動向に関する講義と討論を行う。これらの議論を経て、若手研究者が「アラブの春」以降の推移を整理し、今後の展望を図る。この研究会を通じて、当基金の中東イスラム政治変動事業に対する指針を得る。
事業成果
中東イスラム政治変動講演会シリーズ 第6回「アラブの春以後の米国中東政策とイスラエル・ロビー」にて、スティーブン・ウォルト教授

中東イスラム政治変動講演会シリーズ第6回「アラブの春以後の米国中東政策とイスラエル・ロビー」 にて、スティーブン・ウォルト教授

中東諸国にも大きな影響を与えている「アラブの春」。中東政治変動に関しては、日本でも関心が高まっていますが、得られる情報は欧米メディアを通じた報道などに限られ、海外の中東専門家によるヴィヴィッドな情報分析や、動向分析について知る機会は限られています。日本では、「アラブの春」以降、中東情勢に関心が高まっていることから、激変する中東情勢について、米国・中国・ヨルダン等からの研究者・実務者による講演会を開催し、中東地域で起こっている政治変動に対する国内での理解の深化を図りました。
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