2016年
事業
日中両国の歴史解釈の違いをわかりやすく提示する用語集を作成し、日中両国で出版する事業です。
事業実施者 | 笹川平和財団 | 年数 | 3年継続事業の1年目(1/3) |
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形態 | 自主助成委託その他 | 事業費 | 8,500,000円 |
歴史認識の問題は、2000年代より日中両国の政治外交にも影響し、国民間の相互信頼を左右する大きな要因となっています。パラレルヒストリーとして描かれた政府間日中歴史共同研究は戦前までが公開され、戦後部分は非公開とされました。歴史認識問題では政府間アプローチが困難で、課題解決には民間アプローチが必要とされている状況であることをしめしているのではないでしょうか。民間でも進歩派知識人や保守層など様々な立場から共通教材や教材作成がされていますが、日中双方の歴史認識の違いを明示したものは多くありません。また用語の扱い方も異なります。
たとえば、代表的なものならば「満州事変」は中国では「九一八事変」、「盧溝橋事件」は「七七事変」などです。
当財団は、これまで戦前から戦後にかけた歴史認識問題や近現代史を紹介する成果物を刊行してきました。これらの成果物は専門家向けでしたが、より一般向けに両国の歴史認識の違いや共通部分を確認できる資料集刊行を目指し、本事業を立ち上げました。
•3年間で日中両国の歴史解釈の違いをわかりやすく提示する用語集を作成し、日中両国で出版する。
•対象読者層は大学生以上の歴史に関心をもつ若者や中学高校の歴史教師らとする。
•日中の第一線で活躍する歴史研究者を監修者とし、中堅・若手の歴史研究者を執筆者とする。
•2016年度から2018年度の3ヵ年に渡って、監修者および執筆者による国内研究会を1年に数回程度の頻度で開催する。
•1年に1回、国内研究会の成果を持ち寄った日中共同研究会を実施し、『日中近現代史用語集(仮)』を2018年度に刊行する。