事業内容
中国の非営利団体である中国扶貧基金会と協力し、中国の最貧困省の一つである貴州省施秉県において、農村振興のリーダー的役割を果たす中堅農家を育成しようという事業です。
本事業の第一段階は、1995~97年度に行われました。その内容は、農家を対象に、農業技術・営農理念を内容とした研修を実施するというものでした。第1段階の人材育成プログラムに参加した230人の農民は、地元の農村振興の主力として成長しました。優秀な農民は、農村経済の振興を担うリーダーとして頭角を現しています。このような結果を受けて、98年度から事業の第二段階として、農民による自主的教育・研修活動の支援、優秀な農民の訪日研修を開始しました。そして、99年度は以下の活動を行いしました。
- 第一段階の研修の卒業生で、現在自分の農園を開放して研修の成果を地元に広めている農民に、中国国内と日本から専門家を2人ずつ派遣し、果樹栽培、食菌生産、家畜防疫に関する技術指導を行い、農民の自主教育活動をフォローアップしました。
- 中央テレビ局と協力して、施秉県の実験プロジェクトを題材としたテレビ番組を作成し、99年12月、全国ネットを通して2回放送し、施秉県での経験の普及につとめました。
- 施秉県の経験を踏まえ、農家の指導にあたった日中の専門家の執筆により『農村リーダー育成教材』計3冊を作成しました。この教材が他の農村部での営農指導に活用され、施秉県の経験が他の農家に共有されることが期待されます。
一連の活動を通じて、農村の地域振興事業に自主的に携わる人材が確実に成長しました。また、教育・研修施設の建設など、物資面の支援を中心とした世界銀行をはじめとする海外の支援団体の貧困地域支援に、農家の意識改革と技術付与という角度から実践モデルを示すものとなりました。
本事業が呼び水となって、施秉県は日本政府草の根ODAの支援対象となり、資金交付式典の模様は中央テレビ、人民日報で報道されました。
事業実施者 |
笹川平和財団
中国扶貧基金会/中国
|
年数 |
2年継続事業の2年目(2/2) |
形態 |
自主助成委託その他 |
事業費 |
4,295,349円 |