事業紹介

2010年
事業

298 健康な街づくり活動支援

事業概要
中国は、調和の取れた社会の構築を目指す中で、民生重視の政策を打ち出している。その中で、地域の再構築、地域住民の健康維持や生活満足度の向上、住民が主体となるコミュニティの活性化が喫緊の課題となっている。本事業は、熊本大学の専門家たちが日本発の「健康な街づくり」活動の経験を活用し、熊本市の姉妹都市である中国の桂林市と周辺の農村地域を拠点とし、現地の行政、大学、保健福祉機関及び地域住民と協力して、健康教育に係わる活動を支援することを目的とする。日中協働による健康な地域づくり活動を通じて、住民の健康管理能力の向上や住民参加型の健康な街づくり活動の普及が期待される。
実施計画
3年事業の2年目である本年度は、下記の活動を実施する。
  • 専門家の派遣
    • 熊本大学の専門家や日本のNPOの関係者が講師を務め、桂林市の健康教育実施拠点で住民ボランティアを対象に短期健康教育集中セミナーを数回実施する。
    • 桂林市衛生局や関連行政機関の協力を得て、健康教育活動の一環として、桂林、上海、熊本の健康ボランティア交流イベントを開催する。
  • 農村地域での基礎調査の実施
    日中の専門家と桂林市の健康ボランティア代表が合同チームを形成し、桂林市周辺の農村地域である龍勝県を調査拠点に地域住民の生活環境、ライフスタイル、健康ニーズなどに関する基礎調査を数回行い、調査報告書を作成する。
実施内容・事業成果
本年度は、助成先が熊本大学医学部、広西医科大学、右江民族医学院の医師らと協力し、基礎調査の実施、ボランティア育成セミナーの開催、現地農民との交流などを行いました。

基礎調査の結果、現地の村医は正当な医学教育を受けた経験がなく、簡単な診療設備で診察を行っており、農民への衛生教育も不十分であることに加え、農民たちの病気予防知識も乏しいことが判明しました。

セミナーでは、農民の食生活改善指導や保健衛生指導のほか、ボランティア・グループ形成に関する講習会を実施しました。また、11月に上海で開催された東アジア地域ヘルス・プロモーション活動会議へ、専門家たちの指導を受けた桂林市のボランティア・グループを派遣し、交流活動への参加をサポートしました。セミナーを受講した桂林市の住民有志ボランティアたちは、5回(5月、6月、8月、2011年1月、2月)にわたって龍勝県拐江村に入り、村民との交流を行いました。一年間の活動を通じて、都市のボランティアと農民との信頼関係をどう構築するか、実際の支援をどのように行うかなどが課題であることが明らかになりました。

最終年度にあたる2011年度は、農民のための生活用水整備、出張診療体制の構築、小学校における保健室設置などにかかわる支援に加え、農村生活における健康増進プログラムの立案・活用・普及などを目的として活動を展開していく予定です。

事業実施者 国立大学法人 熊本大学(日本) 年数 3年継続事業の2年目(2/3)
形態 自主助成委託その他 事業費 4,344,422円
関連ページ

この事業は数年間にわたって実施された事業で、以下の関連ページがございます。

 

2009年 事業 285 健康な街づくり活動支援

 

2010年 事業 298 健康な街づくり活動支援

 

2011年 事業 307 健康な街づくり活動支援

 

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