事業紹介

2010年
事業

302 次世代リーダー対話プラットフォーム構築

事業概要
日中基金は、2008年度に人物招へいのパイロット事業として、「食の安全」をテーマとし、新しい人選方法、交流形式で関連団体との連携を試み、従来政府や他の交流団体では実現できなかった中国側実務者の招へいを成功させた。2009年度は「新たな国際金融協力の枠組み」をテーマに日中両国から財政・金融の実務者の参加を得て事業を成功させた。この経験に基づき、本年度も党や政府に影響力を持つ指導者を団長とし、政府、共産党、共産主義青年団など党や政府の中枢の若手指導者で構成される代表団を日本に招へいする。日中双方にとって関心の高い問題をテーマについてシンポジウムを開催するほか、日本の若手政治家、行政官、研究者、マスコミ関係者と意見交換を行う場を設け、日中の実務者による横断的な対話のプラットフォーム構築に努める。一連の活動結果を基に、シンポジウムの発表原稿集や実務協力に関する提案書を作成し、両国の党や政府関連機関に提出する。また、交流の内容を日中双方の党や政府の機関紙やWeb siteに掲載し、情報発信を試みる。本事業の実施を通じ、従来の人物交流では成し得なかった、将来を担う日中の若手リーダー間のネットワーク形成に寄与することを目指す。
実施計画
本年度は、笹川日中友好基金が中国国際友好聯絡会の協力を得て、以下の活動を実施する。

  • 招へい者:
    共産党や政府機関の若手幹部および事務局メンバー約15名。
  • 実施内容:
    • 双方にとって関心度の高いテーマを選定し、専門家の協力を得て東京でシンポジウムを開催する。
    • 日本の政治家や、行政官、マスコミ関係者と意見を交換し、親善を図る。
    • 大学教育機関で講演会を開催し、学者や学生と意見交換を行う。
    • 交流の内容を日中双方の活字メディアやデジタルメディアで公開し、情報発信を試みる。
    • シンポジウムの報告書や、実務協力に関する提案書を作成し、党や政府関連機関に提出する。交流を通じて、日中の実務者間の横断的な対話プラットフォームの形成を目指す。
  • 業務委託:
    中国国内での事前準備、団員の人選、訪日交流の共同企画、訪日終了後の総括および報告書の合同作成や翻訳、国際航空券、日本での宿泊および旅行保険などの関連業務は中国国際友好聯絡会に委託する。
  • 関連団体との連携:
    シンポジウムの開催ならびに一部交流活動の企画・実施については、関連団体との連携を強化し、各自の長所を活用し、事業の質の向上を目指す。
実施内容・事業成果
本年度は、実務者交流の場が少ない財政・金融分野に焦点をあて、12月6日~12月11日の間、中国から国家外貨管理局資本局、国家発展と改革委員会対外経済研究所、財政部、中国人民銀行、証券監督委員会など国際金融にかかわる中堅の実務者を招へいし、日本側の実務者や専門家と交流を行いました。12月7日には中国国際友好聯絡会との共催で、シンポジウム「アジア地域金融協力の展望と課題」を東京で開催し、日本と中国の国際金融に関心をもつ専門家、メディア関係者、一般参加者ら約100名が参加しました。会議の結果、通貨危機時の通貨融通の仕組であるチェンマイイニシアティブの発展と深化、アジア通貨建ての債券市場整備の重要性、TrackⅠだけでなくTrackⅡを通じた意見交換の必要性などの点について、両国識者の意見が一致しました。

シンポジウムの開催後、財務省と明治大学で意見交換会(非公開)を行い、日本側は財務省、金融庁、日本銀行、経済産業研究所、民間シンクタンク、メディア関係者などが参加しました。なお、これら一連の取り組みは、新華社、日経ヴェリタスなどを通じて報道されました。当財団では、今回の成果を受けて、今後も財政や金融をテーマとする交流事業を実施していく予定です。

事業実施者 笹川平和財団 中国国際友好聯絡会(中国) 年数 5年継続事業の2年目(2/5)
形態 自主助成委託その他 事業費 7,475,946円
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