事業紹介

2011年
事業

314 中国雑誌メディア関係者招へい

事業概要
本事業は、中国国民に日本の情報を正しく伝達するために、大衆誌の記者や編集者を対象に、現代日本の政治、経済、社会について取材する場を提供することを目的とする。
実施計画
本年度は以下の活動を実施する。
  • 事前準備
    過去の交流事業のネットワークを生かし、中国側の事業協力者によるアドバイスを参考に、招へい対象社を選定する。取材内容や記事掲載の時期・方法などについては、選定した雑誌社の特徴やニーズに合わせ、財団職員と取材参加者が協議して決定する。
  • 来日取材と情報発信
    (1)年に2回、中国で影響力がある雑誌媒体を計2社招へいする。1社につき3名程度の記者および編集者が来日し、1週間程度日本に滞在する。
    (2)日本の政治、経済、社会、文化などの現場を取材する。
    (3)日本各界を代表する人物と対話し、意見交換やインタビューを行う。
    (4)事業参加者は帰国後、日本特集を組み取材の成果を雑誌媒体で発信すると共に、それらをWeb siteでも掲載する。
事業成果
本年度は、第1回は2011年6月に、中国で約60万部を発行する雑誌『中国新聞週刊』の取材班を招へいしました。取材の成果は、2011年6月27日発行の『中国新聞週刊』の特集「日本震災後百日紀」として発信されました。第2回は2012年3月に、中国で約30万部を発行する『瞭望東方週刊』誌の取材班を招へいしました。取材の成果は、4月12日発行の『瞭望東方週刊』で掲載されました。

事業実施者 笹川平和財団 年数 5年継続事業の1年目(1/5)
形態 自主助成委託その他 事業費 2,875,477円
第1回 中国新聞週刊雑誌社

 中国で約60万部を売り上げている雑誌「中国新聞週刊」の訪日取材班3名を6月8日(水)より16日(木)までの9日間招へいしました。取材テーマは「東日本大震災後100日の日本」。6月9日から10日に岩手県陸前高田市、11日に宮城県南三陸町、12日から13日に石巻市で被災地の経済活動復興の様子やNPOなど市民ボランティアの活動などの取材を行いました。14日から16日は東京でサプライチェーンの問題や今後の日中関係についての影響などを探る取材をしました。

中国新聞週刊概要


「中国新聞週刊」は、中国二大国営通信社の一つである中国新聞社が2000年1月1日に創刊した雑誌。2011年1月の発行部数は58万部で、中国大陸でも信頼できる一流のニュース・時事・政治系雑誌と評価されている。
「影響力のある人に影響を与える」をキャッチコピーとし、中国の政治、経済、環境、エネルギー、文化、教育、体育、社会、国際問題などを紹介する。


第1回招へい

第1回招へいは2011年6月8日から16日の日程で中国新聞週刊の訪日取材班3名を招へいしました。取材テーマは「東日本大震災後100日の日本」。6月9日から13日まで岩手県、宮城県、14日から16日は東京で取材活動を行いました。

左の写真は笹川陽平日中友好基金運営委員長インタビュー(6/14)の記念撮影。左から崔暁火さん(中国新聞週刊記者)、孫冉さん(中国新聞社東京支局長)、笹川陽平日本財団会長、高橋伸明さん(日中通信社編集者)、龐清輝さん(中国新聞週刊記者)、甄宏戈さん(中国新聞週刊カメラマン)。

取材の成果

中国新聞週刊 取材の成果は、特集日本震后百日纪」『中国新聞週刊』(23/2011 总第521期 2011年06月27日出版)として以下四本の記事が発信されました。

「日本震后百日纪」
「陆前高田:去与留的徘徊」
「灾区有“绊”」
「从“中国+1”到“日本+1”」


中国新聞週刊日本取材班の活動


日程 取材先の様子
2011年6月8日(水)

・成田空港着、都内へ移動、取材打合せ
 
2011年6月9日(木)

・東京駅より東北新幹線で水沢江刺駅へ
・岩手県水沢市から陸前高田市へ移動
・陸前高田市役所訪問、取材
・「奇跡の一本松」取材
 
陸前高田市内
陸前高田市内の様子
2011年6月10日(金)

・戸羽太陸前高田市長取材
・高田第一中学校避難所、仮設住宅取材
・サンビレッジ避難所取材
・普門寺取材
・長部小学校仮設住宅取材
・長部漁港取材
 サンビレッジ避難所
避難所となっているサンヴィレッジの様子
2011年6月11日(土)

・南三陸町災害ボランティアセンター取材
・南三陸町防災対策庁舎取材
・志津川中学校取材
「南三陸の海に思いをとどけよう」
ロバートキャンベル氏講話
町長あいさつ、黙とうなど
・南三陸町内取材
 南三陸の海へ思いをとどけよう
「南三陸の海に思いをとどけよう」黙とう
2011年6月12日(日)

・石巻市内取材
・釜小学校炊き出し取材
・荻浜・小積浜清掃取材
日本財団学生ボランティア取材
・小渕浜清掃取材
・石巻市大街道・漁港取材
 学生ボランティアの活躍
荻浜・小積浜清掃にはげむ学生ボランティア
2011年6月13日(月)

・宮城県内自動車工場取材
・石巻市商工会議所取材
・石巻市内取材
・宮城県より東京へ東北自動車道で移動
 石巻商工会議所
石巻商工会議所取材
2011年6月14日(火)

・経済産業省取材
・新宿、浅草、上野、皇居取材
・笹川陽平日本財団会長取材
・記事執筆など
 笹川会長インタビュー
笹川会長インタビュー
2011年6月15日(水)

・サプライチェーン専門家取材
・朝日新聞取材
・関志雄野村資本市場研究所
 シニアフェロー取材
・記事執筆など
 関志雄先生取材
関志雄シニアフェロー取材
2011年6月16日(木)

・帰国
 
第2回 瞭望東方週刊雑誌社

第2回招へいは、2012年3月11日から18日の日程で「瞭望東方週刊」の訪日取材班3名を招へいしました。 取材テーマは「日本の食と食の安全」。3月11日から15日までを北海道、15日から18日は東京で取材活動を実施。 今回は「中国人気ブロガー招へい」事業との合同取材を試みました。

  「瞭望東方週刊」雑誌社
中国国営通信社新華社が2003年から発行する有力時事週刊誌。
「瞭望東方週刊」の発行部数は32万部。公務員、大都市のホワイトカラーが主な読者層。

瞭望東方週刊取材陣 第2回招へい 瞭望東方週刊

2012年3月11日から18日の日程で「瞭望東方週刊」の訪日取材班3名を招へいしました。
取材テーマは「日本の食と食の安全」。3月11日から15日までを北海道、15日から18日は東京で取材活動を行いました。

左から程瑛さん(瞭望東方週刊副総編集長)、米艾尼さん(瞭望東方週刊カメラマン)、張棟さん(瞭望東方週刊総編集長助理)。写真は北海道訪問の3月11日に取材車の中で撮影。

取材の成果

  取材の成果は、『瞭望東方週刊』以下二本の記事として発信されました。
公益的力量在于透明——对话日本财团会长笹川阳平(2012年第14期)
日本食品业者:想让更多人放心 (2012年第17期



 
瞭望東方週刊日本取材班の活動
日程 研修内容
2012年3月11日(日)

一行はCA925便で新千歳空港に到着。今回はブロガーたちとの合同取材で6名のジャーナリストが来日。空港で歓迎をうけたあと、空港内のお土産物店の紹介を受け、千歳観光連盟が運営する観光案内所の視察をしました。
 歓迎の様子
来千を歓迎される訪日団一行
 千歳空港内売店
空港内の売店の概要説明を受ける一行
 観光案内所
観光案内所「ミル」
市内物件
中国人も購入する千歳市内の別荘群見学
佐藤水産鮨のお弁当工場ではお弁当の試食、概要説明を受ける。午後2時46分には全員で東日本大震災犠牲者に黙とうをささげました。取材後は支笏湖へ移動し、地元の食材にこだわる支笏湖第一寶亭留に宿泊しました。 
 佐藤水産鮨
佐藤水産鮨外観
 佐藤水産鮨お弁当説明
1年で180万食を製造するお弁当工場の取材
 黙とう
14:46 社員の皆さんと一緒に黙とう
工場見学
衛生管理が徹底した工場見学の様子 
 支笏湖
支笏湖にて記念撮影
 第一寶亭留
第一寶亭留の概要説明を受ける一行
3月12日(月)

午前は環境省支笏湖自然保護官から、国立公園に指定された支笏湖など自然環境保護に関するレクチャーを受けました。そのあとは千歳市のサケのふるさと館にて、鮭の養殖、放流についての取材。マルゼンではホッキ貝の生産、発送などを取材し、白老牛「いわさき」では日本と北海道の牛の育成方法をインタビュー。さらにたらこの無着色処理、加工状況の取材とルスツリゾートホテルの手がけるアンチエイジング食の取材を行いました。
自然保護官取材
第一寶亭留にて支笏湖自然保護官取材
サケのふるさと館
千歳鮭のふるさと館
マルゼン
マルゼンホッキ貝工場取材
白老牛
白老牛「いわさき」での和牛事情取材
虎杖浜たらこ事情取材
虎杖浜たらこ事情取材
ルスツリゾート
ルスツリゾートホテルアンチエイジング食取材
3月13日(火)

雪景色に感動した一行は、ルスツスキー場を朝から視察したあと余市のニッカ工場と小樽ビール工場へ。午後はISHIYAの白い恋人ファクトリーで副工場長に2007年の賞味期限改ざん不祥事に関する取材。かつての事件から食の安全への取り組みを強化したあらましを聞きました。副工場長は質問がなくなるまで丁寧に答える姿勢で取材に応じ、取材陣も好感をもったようでした。
スキー場
ルスツスキー場見学
ニッカ工場
余市ニッカ工場
小樽ビール工場
小樽倉庫NO1 ビール工場・レストラン
ISHIYA
白い恋人ファクトリー
チョコの歴史
白い恋人ファクトリーでチョコの歴史を学ぶ
副工場長インタビュー
ISHIYA白い恋人ファクトリー副工場長取材
3月14日(水)

恵庭エコリン村でエコと有機栽培などの事情について取材。一本のトマトの樹から1万5千個ものトマトを収穫するというトマトの森の育成方法についての取材は熱が入っていました。箱根牧場では牛舎の見学、社長取材、チーズ作りなどを通じて、有機栽培、安全・安心な肉・乳製品づくりを取材。さらにキューサイファームで無農薬ケールで作られる青汁、温室トマト栽培のエア・ウォーター社などで取材。夕食ではこれまでの取材先関係者や翌日の取材先関係者との懇親会を実施しました。
エコリン村
エコリン村取材
トマトの森
エコリン村 トマトの森 取材
 箱根牧場
箱根牧場 安心安全なお肉・乳製品を取材
キューサイファーム
千歳キューサイファーム 青汁は好評
トマト栽培取材
トマト栽培のエアウオーター農園取材
取材先皆さんとの懇談会
取材先の皆さんとの懇談会
3月15日(木)

午前はチーズを生産する夢民舎へ。カマンベールチーズの作り方や衛生面に関する取材。そのあとはノーザンホースパークで馬の飼育方法などを取材。そのあとは新千歳空港から羽田へ移動しました。
チーズ工場見学
夢民舎チーズ工場見学
チーズ工場見学
チーズ工場でツイッタ―に報告する様子
ノーザンホースパーク
ノーザンホースパーク・馬の飼育事情取材
千歳空港でお別れ
千歳観光連盟の皆さんとお別れ
3月16日(金)

午前は内閣府食品安全委員会を訪問し、日本の食品安全にかかわる行政部門を取材。お昼は日本財団の笹川陽平会長との懇談。食の安全から金融、社会福祉、日中関係など幅広く取材しました。午後は、自然食品を手掛けるスーパーとしては最大手の「ナチュラルハウス」を訪問。日本の有機野菜の取扱量が全流通量の0.03%という紹介に取材陣も驚いていました。
食品安全委員会取材
内閣府食品安全委員会取材
笹川会長取材
笹川陽平日本財団会長取材
ナチュラルハウス取材
ナチュラルハウス青山店取材
ナチュラルハウスインタビュー風景
ナチュラルハウスインタビュー風景
3月17日(土) 都内自由取材
3月18日(日)   帰国


なお、彼らの日本取材の様子は北海道では現地メディアの逆取材も受けて、下記の通り報道されました。

「中国観光客に安全PR」『読売新聞』(千歳恵庭江別北広島地域版) 2012年3月13日朝刊31頁
「中国本土で魅力発信 雑誌記者と人気ブロガー来千」『千歳民報』 2012年3月13日10頁
「中国人ブロガー道内観光地巡り」『読売新聞』(道総合) 2012年3月14日朝刊30頁

今回の北海道取材は千歳観光連盟に全面協力いただきました。
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