事業紹介

2012年
事業

328 日本語上級教材開発支援

事業概要
本事業では、中国の大学で日本語教育に使われる教材作成を助成する。現在、日中間の緊密な経済関係を背景に、中国では日本語学習者が年々増加している。そして、日本語教育関係者の間では、日本語教材が時代遅れのものになっており、その刷新を望む声が高い。
そうしたニーズに応えるべく、新しい教科書作りに向けた取り組みが開始されているものの、よりよい教科書を作るためには、日本側日本語教育界の協力が欠かせない。そのための交通費や会議費などが必要になってくる。
そこで、その部分を笹川日中友好基金が助成する。すでに笹川日中友好基金では、初級クラスの教材作成において同様の助成経験があり、効果が確認されている。
本事業では、同様の手法で上級クラスの教材開発に対する助成を行う。実施主体は、北京大学、首都師範大学の教授らになる。総額約2,940万円(210万元)の事業に対し、2年間で約1,344万円(96万元)、46%を助成する。

事業実施者 中国教育学会トレーニングセンター 年数 2年継続事業の1年目(1/2)
形態 自主助成委託その他 事業費 6,119,493円
実施計画
本事業は、中国教育学会トレーニングセンターが中国国内の日本語教育の精鋭を集め、日本側専門家の協力を得て、大学の日本語専攻の上級者用のシリーズ教材を作成する活動に対し、日中の専門家による共同作業の部分を支援するものである。教材作成のプロジェクトは中国教育部の高等教育重点教材の指定を受け、執筆料と出版関連経費は教育部の助成を受けることが決定されているが、当財団は日中双方の専門家が教材の内容等について意見交換する合同編集会議と、日本人モニター講師を派遣する部分を支援する。2年継続事業の初年度にあたる本年度は、下記の活動を行う。
  • 日本合同編集会議
    2012年夏、中国側教材執筆者や専門家8名が来日する。日本側専門家と教材の合同編集会議を開催する。
  • 中国合同編集会議
    2013年1月、東京大学、東京学芸大学、千葉大学、沖縄大学などの日本語教育の専門家7名が訪中し、中国側執筆者、専門家と合同編集会議を北京で開く。
  • モニター講義の実施
    中国の大学における日本語教授歴を持つ専門家の協力を得て、開発された教材を活用したモニター講義を実施し、結果を執筆者にフィードバックし、教材作成に協力する。
事業成果
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合同編集会議の様子

過去4年間実施してきた、中国の大学レベルの日本語専攻者用の基礎教材の開発事業に続き、今年度から日中両国の専門家による日本語上級者用教材の開発に助成の対象を変え、京都と北京で計2回開催した合同編集会議を中心に支援しました。その結果、『総合日本語 上級1』は、2013年9月から各大学で導入されることになりました。

この事業は 2013年度 「331 日本語上級教材開発支援」につづきます。

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