ニュース&トピックス

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2018.01.23

海洋教育パイオニアスクール・フォトコンテスト入選作品発表

海洋教育パイオニアスクールプログラムでは、各学校が取り組んでいる海洋教育の活動の様子を撮影した写真レポートを提出いただいています。この度写真レポートにより実施しておりましたフォトコンテストの入選作品が決まりましたので発表いたします。

2月3日(土)の第5回全国海洋教育サミット(於・東京大学)において表彰式を行います。

気仙沼市立唐桑小学校

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タイトル 「海と生きる」海洋教育・ふるさと唐桑を愛する子ども
紹介 本校では,海をフィールドとした体験学習と多様な交流を通して,豊かな心をもち,ふるさと唐桑を愛する子どもの育成に取り組んでいる。地域の方々の協力を得て,1・2年生は鮭の飼育と放流活動,3年生はワカメの調べ学習,4~6年生はカキの養殖体験を行う。漁船に乗り,筏の上で行われる海の学習を通して,子どもたちは森里海のつながりと唐桑の海の豊かさに気付く。地域を大切する気持ちが育ってきている。
審査員講評 どっしりと安定した腰つきのカキの漁師さんとおっかなびっくりの腰つきで真剣にカキを引き上げる女の子が対照的で面白い。
地域の方々の協力を得た海をフィールドとした体験学習では、カキの生態だけでなく森里海のつながり、海の豊かさそして海で働く人の逞しさを学んだことでしょう。
子どもたちが自分たちの地域の海に誇りを持ち守っていこうとする気持ちの芽生えを感じされられた1枚です。(吉田)

只見町立只見小学校

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タイトル 海とつながる只見町
紹介 只見小学校の総合的な学習は、ユネスコエコパークに認定された郷土について学習し、そこから只見愛を育むことをねらいとして行われてきた。しかし「水循環を通して海とつながっていること」「将来の国道289号線の開通に伴い、日本海と人・もの・文化の流通が盛んになるであろうこと」をふまえ、海洋教育の視点を付加することで学びが広がり、より本校の目指す子どもの育成が可能となると考えた。
そこで、「田子倉湖散策」「八十里を越えて海へ」「ふるさと登山」の活動を通して、郷土の自然のすばらしさ、それは海とのつながりによるものであることを体験を通して実感することができた。
審査員講評 魚を手にした時の歓声が聞こえてくるような写真です。何より中央で首にタオルを巻いた男の子の笑顔がとても印象的で、両手に抱えている大きな魚が互い違いになっているのも面白い構図を生み出しています。目をこらすと、後ろで優しく見守っている大人の表情も伺うことが出来、全体を通じて楽しい体験の様子が伝わってきます。(櫛野氏)

筑波大学附属小学校

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タイトル 海で感じる生き物の豊かさ、遠泳で感じる自らの成長
紹介 富浦の海で行われた遠泳。明日はいよいよ遠泳の日。夕方、日が傾き始めたが練習に余念がない。
コーチも飛び込み台の上から見守る。子供達はこの6年間、この海で2000mの遠泳を完泳するために、学校で練習を重ねてきた。明日はいよいよ勝負の日。子供達の緊張も高まってきた。
審査員講評 夏、海辺の夕暮れ...練習で身体は疲れているけれど明日の本番のことを思い神経は高ぶっている。
砂浜、水平線、開かれた海に向かい身を持って体験する。海を肌で感じる。
あの日のことは成長してもきっと覚えていることでしょう。
水平線の向こう側にいって世界で子どもたちが活躍していくことを期待したい。
そんな思いを写真から想像しました。(吉田)

伊東市立富戸小学校

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タイトル ういて待て講座
紹介

全校着衣泳「ういてまて講座」プール編
最後にはライフベストをつかって・・・全員が「ういてまて」を習得!

審査員講評 あれも「ういてまて講習」だったのか。小学生の頃、私も学校のプールの授業で同じような講習を受け、その日は濡れてよい服を持参するよう言われちょっと特別な気分で登校したことを、懐かしく思い出した。
写真としては、まだ体の小さな子供たちが、少し足を開いた状態(おそらく正しい体勢なのだろう)で水面に浮かぶ姿が、星座のようなコンポジションとなっており、目に留まる光景だった。
それでも、水難事故は相次ぐ。水遊びに無我夢中ではしゃいでしまう子供たちが危険な目に遭うことのないよう、より身体化されていくための工夫が凝らされた内容で計画、実施されていくことへも意識を馳せていきたい。(奥山氏)

那智勝浦町立宇久井中学校

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タイトル 船長体験教室~気分は水兵さん~
紹介 東京海洋大学海洋工学部学友会所属団体「海事普及会」の学生による「船長体験教室」を受講。内容は、写真やクイズ形式で海の役割や船の紹介及び船員の仕事について学ぶ「海・船の話」、海上での通信手段である「手旗信号体験」、船体の擦れ当てや船内の出入り口のマットに利用されている「チャイニーズスクエアマット」の製作実習の3講座であった。生徒は積極的に取り組み、楽しみながら海についての学習を深める事が出来た。
審査員講評 海上での通信手段である「手旗信号」体験の様子を写した一枚ですが、白いシャツに黒いズボンやスカートという生徒たちの服装と、手旗の白色と赤色の対比が美しい構図になっています。手旗は揃っていますが、床に置かれた旗を収納する黒い袋のようなものが散乱している様子が、また良い味を出しています。手旗「第6原画」を表したポーズも面白いですね。(櫛野氏)

串本町立橋杭小学校

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タイトル 太地町立くじらの博物館、勝浦魚市場の見学
紹介 映画「ザ・コ-ヴ」により様々な意味で注目されている太地町。その太地町の「くじらの博物館」と、勝浦漁港に1年生と2年生が勝浦海事事務所主催事業を利用し、海洋教育の一環として見学に行きました。博物館では、イルカやゴンドウクジラなどの海の生き物とのふれ合い、学芸員からの説明により、児童は海洋生物について理解を深めました。
審査員講評 僕ここだよ。緊張しながらお話しする子どもと、よく来たね、ふむふむと笑顔を返す白いハナゴンドウ。赤い帽子の小さな子どもと丸くて大きなクジラの頭は、たくさんのやさしさで画面を満たしている。太地町立「くじらの博物館」は、クジラ類の研究、飼育、展示から海を総合的に学ぶ海洋教育まで、クジラ類を扱うユニークな施設である。クジラが人に寄ってくるのは,この施設ならではの特別な1枚であろう。悠久の時間の中で、一瞬が止まり、これから始まるクジラと子どもの話に聞き耳を立てたくなる。子どもが通う橋杭小学校は目の前が海である。クジラと仲良くなった子ども達は、海のことをもっと知りたいと思ったに違いないだろう。(窪川氏)

与論町立茶花小学校

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タイトル この海はわたしたちが守るんだ!
紹介 10月17日。夏に海の美しさを知った子どもたちは,新聞やニュース等で海洋ゴミの存在を知り,与論の海を守るためにゴミ拾いをしようということになった。海にはあまりゴミはなかったが,学校から海岸へ行く途中にたくさんのゴミを拾うことになった。「町中のゴミも風で飛ばされて海に行くかも。」「小さくなっても絶対になくならないから拾わないと。」等,今後も町をきれいに保とうと意欲をもっていた。
審査員講評 環境保全活動の第一歩は地域の人たちが、自分の住む地域を知り、そして自ら考えることでしょう。都市も地方もその景観の違いがなくなりつつある現代、地域の人たちが自分の住む場所を大切にすることは、自分のアイデンティティを見いだすということでもある。その手始めとして足もとのことを見つめ直す作業、特に海の綺麗な場所の人たちにとって海辺のゴミ拾いは重要だと思う。そしてもしこのゴミが放置されたら・・・・・・。島嶼国のゴミ廃棄物の問題が島という土地の脆弱化にも結びつくようになっている今だからこそ、ゴミ拾いは大切な活動である。地元を考えることで自分の居場所を見いだし、そのようなことをすることで地球環境のことを知るというふたつの要素の詰まった一枚でしょう。(道城氏)

糸満市立高嶺小

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タイトル 糸満の魚のさばき方を学ぶ
紹介 昔から漁業が盛んであった糸満市の海の恵「魚」。その故郷の魚の種類や特徴を知り、実際に魚をさばき、美味しく食べる体験を、沖縄水産高校の先輩から学び、魚を生活に利用するための知識と技能を身に付けることで、海の自然の豊かさを実感しながら海洋に対する関心を高める。
審査員講評 どっちも真剣勝負。見逃すまいとする子ども達と、しっかり見ててねと沖縄の魚をさばく高校生。距離感が絶妙である。可愛い三角巾と水産高校の帽子は、それだけで,その場を説明しているだけでなく、地域の小学校と高校との連携で進めている海洋教育の良さも楽しさも表現している。地域活性化が全国で言われているが、地元ならではの持続可能な取組は心強い。沖縄の子ども達は、海が身近で遊びの場であると思われがちだが、現実はその逆であるという。さらに高嶺小学校は内陸にあり海から遠い。水産高校は海の近くにあり海の専門家を育成している。両者の交流は、沖縄の海と魚を通した楽しい学びである。ところで、魚のお味はどうだったかな。(窪川氏)

沖縄県立沖縄水産高等学校

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タイトル 自然と対峙する航海士の卵
紹介 本校が在る糸満市は沖縄県で一番大きな漁村です。しかしながら現在は昔ほど盛況ではありません。糸満漁民はかつては沖縄伝統舟艇「サバニ」に乗りある者は沖に出て魚をつり、またある者は沿岸でサバニを使い追い込み漁をして琉球王朝に貢献し琉球王朝では隆盛を極めた特別な町でした。糸満漁民はサバニに乗り漁場を求め東は千葉県房総、西はインドネシアまで出漁したという記録もあります。そのサバニを操り地域の歴史文化を体感し地域に自信と誇りを持たせることを狙いとしています。
審査員講評 どこまでも続く海の上では、唯一頼りとなるのは自分自身。舟は、その自分(人間)を勇敢にさせてくれる存在だ。サバニの造形的な美しさは、かつてのこのまちの漁師たちがつないできた歴史の豊かさを想像させてくれる。
海辺に暮らす若者たちが、こうした航海の経験を重ねていくプロセスで、海とともに在る人が持つ強度と奥行きある力を自身の中にも見出し、醸成していくことを心から応援したい。
この写真からは、サバニに乗り込む若者たちの中に宿る、もしくはくすぶっているかもしれない未知の可能性を、うねる波が刺激し、揉んでくれているように感じられた。(奥山氏)
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タイトル 食育講座の一場面
紹介 沖縄県のは亜熱帯地域ですので海の中も内地の海とはことなり、色とりどりの魚が泳ぎ多種類のサンゴが植生しとても華やかな海です。一方沖縄県のスーパーの鮮魚コーナーに並ぶ魚は鮭・鯖・秋刀魚など内地の魚が並びます。沖縄県の魚は鮮魚コーナーから徐々に姿を消しつつあります。伝統的な調理方法により沖縄県の魚はとても美味しい魚になります。今回、授業として高嶺小学校で上田勝彦さんから沖縄の魚の美味しい調理方法を学習することで、小学生に沖縄の魚のおいしさに触れてもらい沖縄の魚を見直してもらう授業を実践しました。
審査員講評 現代の人たちはコンビニ弁当やファストフードに慣れてしまっている。それらは季節関係なくいつでも容易に手に入る分、私たちが忘れてしまったことがある。それは季節感ではないだろうか?また環境省が提唱している「My行動宣言」の中には "たべよう"という項目があり、その場所でその季節にとれたものを食べましょうと、地産地消が生物多様性保全のひとつにもなると。海のある県の人たちが近海でとれた季節の魚を自分たちで調理することは重要。もしとれなくなったらその裏には何かがあることも知るでしょう。決してコンビニ弁当やファストフードだけを食べていたら気候変動も海洋環境悪化も感じとることはできないのではないでしょうか?(道城氏)

審査員一覧

奥山 理子 みずのき美術館キュレーター。
1986年生まれ、京都府出身。母の障害者支援施設みずのき施設長就任に伴い、12歳より休日をみずのきで過ごす。2007年以降の法人主催のアートプロジェクトや農園活動にボランティアで従事した後、2012年みずのき美術館の立ち上げに携わり、現在企画運営を担う。
企画、制作した主な展覧会に「ayubune 舟を作る」(2014年)、日本財団アール・ブリュット美術館合同企画展2014-2015「TURN/陸から海へ(ひとがはじめからもっている力)」(2014-2015年)、「共生の芸術展 『DOOR』」(京都府委託事業、2014年、2015年)、など。2015年より、アーツカウンシル東京TURNコーディネーター。
櫛野 展正 日本唯一のアウトサイダー・キュレーター。
広島県在住。
2000年より知的障害者福祉施設職員として働きながら、広島県福山市鞆の浦にある「鞆の津ミュージアム」 でキュレーターを担当。
2016年4月よりアウトサイダー・アート専門ギャラリー「クシノテラス」オープンのため独立。
社会の周縁で表現を行う人たちに焦点を当て、全国各地の取材を続けている。
窪川 かおる 東京大学海洋アライアンス海洋教育促進研究センター特任教授。早稲田大学理工学研究科物理及応用物理学専攻修了。理学博士。早稲田大学生物学教室勤務を経て、1991年より東京大学海洋研究所に勤務し、海洋研究のスケールの大きさに驚く。脊椎動物の祖先にもっとも近縁であるナメクジウオの生態調査から始め、そのすべてを知ろうとする研究者になる。2010年から現職に就き、東京大学三崎臨海実験所で研究を続けつつ、海の魅力と重要さの啓発に力を入れる。2017年から海洋政策研究所発行のOcean Newsletterの編集代表を務める。図書に「ナメクジウオ」(東京大学出版会、共著)、海で働く女性たちが著した「海のプロフェッショナル」2巻(東海大出版部、編集・共著)、海洋生物を環境との関わりで考える「海洋生物学」(翻訳、丸善)などがある。
道城 征央 Masa Michishiro
2008年:水中カメラマンとして活動を始める。
その後南洋ミクロネシア(ミクロネシア連邦、マーシャル諸島共和国)の水中、陸上、文化風習の写真を撮るようになる。そのことから"南海の放浪カメラマン"の異名を持つ。
2012年:前年の震災をきっかけに写真の雑誌掲載から「人との自然との関わり合い」をテーマに写真スライドとあわせた講演・セミナー・ワークショップへ活動をシフトする。
2016年:埼玉動物海洋専門学校で「自然環境保全論」「海洋環境学」の授業を持つ。
現在、撮影地はミクロネシア圏の他、国内では八重山諸島、小笠原諸島など。写真展開催多数。日本旅行写真家協会正会員。
吉田 哲朗 笹川平和財団海洋政策研究所 副所長

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