海洋生物資源の新しい増産方法研究

日本の沿海では、藻場・干潟の減少、磯焼けの増大などの生態系の荒廃と、それに伴う食物連鎖における低次生産力の減少が顕著で、その結果、高次の漁獲量が回復せず、生産性豊かな海が失われつつあります。豊かな海の再生と沿岸漁業の持続的発展のためには、海の低次生産力を積極的に増加させる技術の研究開発の検討が必要となります。

本研究では、海洋深層水のバランスの良い無機栄養塩類を植物プランクトン(海藻)の肥料として活用し、沿岸生態系の基礎生産量を増大させることを考えます。その際には、海洋深層水を一定の区画に閉じ込めて滞留させ、無機栄養塩の効率的な供給を考えます。そして、これらの低次生産物を食べて成長する貝類や魚類等の水産資源の増産につながる、水産増殖技術に関する計画・設計およびその運営手法を研究しています。

現在、沖縄久米島において、沖縄県海洋深層水研究所の海洋温度差発電所の排水を利用して、研究運用を行っています。

海洋深層水を入れた区域

ページトップ