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【海の論考 OPRI Perspectives】第4号「カナダの北極圏海洋科学政策」小牧加奈絵

2020.01.27

笹川平和財団海洋政策研究所 (OPRI) では、海洋に係る国内外のさまざま動きを分析し発信する、海の論考「OPRI Perspectives」の取組みを始めました。 今後、OPRIの研究員を中心に発信をしてまいります。「肩の力を抜いて読める」海洋政策研究所ブログ「海のジグゾーピース」とあわせてご覧ください。

第4号はラバル大学アムンセンサイエンス研究員の小牧加奈絵氏による論考「カナダの北極圏海洋科学政策」です

要旨
カナダにおいて、気候変動の影響は北極圏で極めて大きい。例えばハドソン湾の一部ではこの30年で90%以上の海氷減少が生じている 。それゆえ、本来厚い多年氷で覆われて通過困難な北西航路の利用可能性が増し、安全保障や国際環境規制の観点でも争点となっている。さらに、海氷だけでなく、陸の氷河や氷帽及び河川湖沼の結氷量も近年大きく減少している。北極圏には、国全体の70%の海岸線が存在し、沿岸にはイヌイット始め先住民の居住区が多い。永久凍土の融解や海岸浸食によってその生活環境は著しく悪化し、政府はインフラ整備などの適応策を模索している。こうした背景をもつカナダにとって、北極圏の海洋科学研究は特に重要であり、沿岸警備隊の砕氷船を研究に特化させて運用するなどの取組みを実施している。本稿は、カナダによる北極圏海洋の科学と環境に関する政策と取組みを概説する。

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