大陸棚限界委員会に対する各国の申請状況

ニュージーランドの申請

ニュージーランドの申請

2006年4月19日、ニュージーランドは、国連事務総長を通じ、大陸棚限界委員会に対して申請を提出しました。ニュージーランドが申請を提出したことが国連事務総長によって、全国連加盟国に通知され、申請のエグゼクティブ・サマリーが公表された後、フィジー、フランス、日本、オランダ及びトンガがそれぞれ自国の見解を表明する文書を国連事務総長に提出しました。

  • フィジーの見解は、ニュージーランドの申請のエクゼクティブ・サマリーに含まれているケルマディック海嶺ヘイバー・トラフ及びコルビル海嶺における大陸棚の境界画定協議がニュージーランドと継続中である、というものです。
  • フランスの見解は、スリーキングズ海嶺について、南太平洋のフランス領諸国の大陸棚に影響を及ぼす可能性があることを述べています。
  • 日本及びオランダは、南極条約において南極地域における領土主権・領土についての請求権が凍結されていることを確認しています。
  • トンガは、ニュージーランドの申請している海域には、トンガの管轄下にある海域の一部が含まれおり、両国は協議を重ねているところであるが、大陸棚限界委員会がニュージーランドの申請を審査し、勧告を行うことには反対しない旨述べています。

 

ニュージーランドの申請のエグゼクティブ・サマリー及び各国の文書は、大陸棚限界委員会の下記のページで見ることができます。

ニュージーランドは、エグゼクティブ・サマリーにおいて、南極海を除く海域についての部分申請であることを明記していると同時に、南極海の大陸棚延長申請は後日提出する予定であると言及しています。(下記の大陸棚限界委員会のサイトにあるニュージーランドの文書において述べられています。)

  • ニュージーランドは、南極部分の申請に関し、イギリスと同じ立場をとっています(3.11.「イギリスの申請」参照)。

 

2006年8月~9月の第18回大陸棚限界委員会の会期中にニュージーランド代表が申請内容についてのプレゼンテーションを行い、ニュージーランドの申請を審査する小委員会が設置され、審査が開始されました。
小委員会で検討された後、第22 回大陸棚限界委員会の会期中の2008 年8 月22 日に、大陸棚限界委員会はニュージーランドに対する勧告を行いました。勧告の要約版が、大陸棚限界委員会の上記ページに掲載されています。

これを受け、ニュージーランドのクラーク首相は、2008年9月22日に大陸棚限界委員会の勧告を歓迎する旨のプレス声明を発表し、(1)大陸棚限界委員会によって、約170万平方キロメートルの延長大陸棚に対してニュージーランドが権利を有することが確認された、(2)この面積はニュージーランドの国土の6倍以上に相当する、(3)今回得られた成功は、ニュージーランドの科学者や政府関係者の10年以上に及ぶ努力の成果である、と述べています。(クラーク首相のプレス声明は、以下のサイトで見ることができます。)

また、ニュージーランド外務貿易省もホームページにおいて、大陸棚限界委員会は2008年9月12日に勧告を行い、ニュージーランドが申請した延長大陸棚の98パーセント以上を認めた、と述べるとともに、大陸棚限界委員会の勧告の全文をpdfファイルで公開しています(詳しくは以下の外務貿易省のサイトを参照)。

なお、ニュージーランドは2004年にオーストラリアとの間で海洋境界画定条約を結んでおり、これはニュージーランド外務貿易省の国際法に関する下記のページに記載されています。また、トンガ及びフィジーと話し合いを開始した、と記載されています。

ニュージーランドは、自国の大陸棚延長に関する考え方を積極的に公開しており、大陸棚延長申請プロジェクトの下記ホームページにおいて、詳しい解説を行っています。

また、大陸棚延長に関する冊子がpdfファイル形式で掲載されており、下記よりダウンロードすることができます。

海洋政策研究財団では、ニュージーランドの大陸棚延長申請プロジェクトに長年携わってこられたレイ・ウッド氏の講演会を開催し、プロジェクトや申請の内容について解説を行っていただきました。講演要旨は、当財団サイト内の下記ページに掲載されています。

 

ニュージーランド周辺図

ニュージーランドの申請

出典:米国商務省海洋大気庁地球物理データセンター(NGDC)提供のETOPO2のデータ

TOPへ戻る