大陸棚限界委員会に対する各国の申請状況

アイスランドの申請(2009年)

2009年4月29日、アイスランドは、国連事務総長を通じ、大陸棚限界委員会に対して申請を提出しました。アイスランドが申請を提出したことは国連事務総長によって、全国連加盟国に通知され、申請のエグゼクティブ・サマリーが公表されました。その後、デンマークとノルウェーが自国の見解を示す文書を提出しています。

エグゼクティブ・サマリーの中で、アイスランドは以下の点を述べています。

  1. アイスランドの大陸棚は、レイキャネス海嶺エリア、ハットン・ロッコール海域及びエーギル海盆エリアの3つのエリアで200海里を超えて広がっている。
  2. この申請は、部分申請であり、エーギル海盆エリア及びレイキャネス海嶺エリアに関するものである。

    (1)エーギル海盆エリアについては、アイスランド、デンマーク(フェロー諸島)及びノルウェーは境界画定に関し2006年9月20日に暫定的に合意しており、これらの国のいずれかが大陸棚限界委員会に申請を提出した場合、他の国は、委員会が自国の申請または境界画定に影響を及ぼさない限り、委員会による審査と勧告について異議を申し立てないことが合意されている。※

    ノルウェーの申請におけるデンマーク、アイスランドの見解を参照。
    エーギル海盆エリアは、いわゆる バナナホールの南側エリアである。

    (2)レイキャネス海嶺エリアの西側と南側については、どの国の主張とも重複していない。ハットン・ロッコール海域については、デンマーク(フェロー諸島)、アイルランド及びイギリスと主張が重複しており、これら3か国とアイスランドは2001年以降、協議を続けている。

  3. レイキャネス海嶺の東側エリアについては、ハットン・ロッコール海域と潜在的に重複しているため、この申請には含まれていない。これらの海域については、後の段階で申請を行う予定である。

デンマーク及びノルウェーはそれぞれ提出した文書の中で、2006年9月20日付の合意に言及して、アイスランドの申請についての大陸棚限界委員会の審査及び勧告が、バナナホールの南側エリアにおける大陸棚境界画定に影響を及ぼさない限りにおいて、異議を提起しない旨述べています。

アイスランドの申請のエグゼクティブ・サマリー、各国が提出した文書は、下記サイトで閲覧することができます。

申請を提出した後、審査待ちの行列に並んでいましたが、2012年7月〜8月に開催された第30回大陸棚限界委員会において、アイスランドの申請を審査する小委員会が設置されました。


出典:米国商務省海洋大気庁地球物理センター(NGDC)提供のETOPO1 データ
Amante, C. and B. W. Eakins, ETOPO1 1 Arc-Minute Global Relief Model: Procedures, Data Sources and Analysis, National Geophysical Data Center, NESDIS, NOAA, U.S. Department of Commerce, Boulder, CO, August 2008.

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