沿岸域総合管理教育

背景と目的

2007年(平成19年)に施行された海洋基本法の12の基本的施策のうち、9番目に「沿岸域の総合的管理」が書き込まれ、「国は、(中略)、自然的社会的条件からみて一体的に施策が講ぜられることが相当と認められる沿岸の海域及び陸域について、その諸活動に対する規制その他の措置が総合的に講ぜられることにより適切に管理されるよう必要な措置を講ずるものとする。(第25条)」と陸域・海域の一体的管理の重要性を指摘し、必要な措置を求めています。そうした管理を進める上で、必要な人材を育成する観点から、大学において沿岸域総合管理を実践する専門的知識を有する人材を育成するため、学際的・分野横断的な教育体制を整えていきます。

そうした状況に鑑みこの現状の改善を目指し、2010年〜2012年度(平成22〜24年度)において大学における「総合的沿岸域管理の教育カリキュラム等に関する調査研究」を実施し、モデル的なカリキュラムを作成・提案しました。あわせて、これを活用した沿岸域総合管理教育の各大学における導入方策についても予備的検討を行いましたが、導入実現のためにはさらに本格的な検討・準備が必要であり、大学としての中長期的な取組が不可欠なことがわかりました。

2013年(平成25年)の海洋基本計画においても、政府が総合的かつ計画的に講ずるべき施策の9(1)「沿岸域の総合的管理の推進」において、「沿岸域の安全の確保、多面的な利用、良好な環境の形成及び魅力ある自立的な地域の形成を図るため、関係者の共通認識の醸成を図りつつ、各地域の自主性の下、多様な主体の参画と連携、協働により、各地域の特性に応じて陸域と海域を一体的かつ総合的に管理する取組を推進する」と記載されました。そのためには、そうした取組を担う人材の確保が不可欠です。地域の大学等における沿岸域の学際的な教育・研究を推進することにより、地域に根ざした沿岸域総合管理を実施する人材の供給が期待されます。そのためには、各大学等において沿岸域総合管理に関する学際的教育及び研究が推進されるよう開発されたカリキュラムを導入し、地域社会と連携しながら人材育成に取り組んでいくことが必要です。

なお、同施策12「海洋に関する国民の理解の増進と人材育成」の中で、「大学等において、学際的な教育及び研究が推進されるようカリキュラムの充実を図る」と記載されている部分もあり、学際的な学問分野である沿岸域総合管理教育は、こうした施策の1つとしても位置づけられます。

こうした取組を推進するためには、大学等と協力し、沿岸域総合管理教育を導入するための課題や解決方策を検討し、同教育の導入を促進・支援するとともに、国として必要な支援策に関する政策提言を行うことが必要です。あわせて、東アジアの大学等とネットワークを構築し、我が国の沿岸域総合管理の発展に努めることとしています。

ページトップ