Ocean Newsletter

オーシャンニューズレター

第21号(2001.06.20発行)

第21号(2001.06.20 発行)

編集後記

ニューズレター編集委員会編集代表者 (横浜国立大学国際社会学研究科教授)◆来生 新

◆「昨日より梅雨に入りし波がしら」(斎藤美規)。うっとうしい時期になった。せめて海をめぐる話題は明るく、さわやかでありたいと思う。幸いなことに21号は海を巡るさまざまな交流の明るい話題に満ちている。

◆佐々木直義氏のオピニオンによって、漁業国日本の技術と経験の蓄積が途上国援助に生かされていることを知ることができる。水産国際協力を今後なおいっそう進めることは、世界最大の水産物輸入国であるわが国の責務であろう。東惠子氏のオピニオンは、港の景観改善によって港が住民の交流の場になり、活性化しうることを、清水における実体験で例証する。ノルウェーからは、太田昌秀氏の投稿をいただいた。たかだか400年の歴史しか持たない国民国家の限界を超えて、30億年という時間単位で地球を考える科学者の目に感嘆。それぞれの交流に努力される関係者にわれわれもエールを送りたい。

◆フランスの歴史家ミシュレの言葉。「大地は沈黙し、海は語る」、「海はなにを語るのか。連帯を。」(加賀野井秀一訳 『海』)。海は人類を結びつける雄弁な語り手なのである。(了)

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