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【サマリー】日本イラン国際シンポジウム「経済力としての女性と教育」
(2017年2月14日開催)於:東京

2017.03.30

概要

笹川平和財団では、「イランと国際社会の関係構築支援」事業の一環として、シャヒンドフト・モラベルディ閣下(イラン女性・家庭環境担当副大統領)らを招へいし、「経済力としての女性と教育」と題する国際シンポジウムを2017年2月14日、笹川平和財団ビルにて開催しました。

基調講演では、安倍昭恵氏(社会貢献支援財団会長)、シャヒンドフト・モラベルディ閣下(イラン女性・家庭環境担当副大統領)にご登壇いただきました。

モラベルディ閣下 講演(ダイジェスト版、約5分半)

本シンポジウムでは、田中伸男笹川平和財団会長が「将来の指針」を読み上げ、イランと日本の女性の社会進出事業の支援者/団体が今後の活動計画を採択しました。

モラ.jpg握手.jpg                        モラベルディ副大統領と握手を交わす安倍会長

全員.jpg
登壇者全員で写真撮影

シーンセッティング

「日本・イランにおける女性を取り巻く環境と課題」と題するシーンセッティングでは、レイラ・ファラハティ氏(イラン女性・家庭環境担当副大統領府次官)、南順子氏 (内閣府男女共同参画局 国際参事官)がそれぞれ発表を行い、イランと日本の基本情報を共有しました。両氏は、「健康」、「教育」、「経済参加」、「政治参加」という4つのカテゴリーで構成されるジェンダー・ギャップ指数を紹介した上で、それぞれの政権が近年取り組む女性の社会進出を推進するための政策や活動についても言及しました。

シーンセッティング.jpg南参事官の報告

第1セッション:家族におけるジェンダーによる役割の固定化とその変遷

第1セッションでは、平尾桂子氏(上智大学教授)、エラーヘ・ヘジャーズィー氏(イラン科学技術省女性家族担当参事官)が「家族におけるジェンダーによる役割の固定化とその変遷」というテーマで報告を行いました。平尾教授は、「性別役割(Gender Role)」とは、性別によって期待される行動様式であるが、これは人々の頭の中で考えられていることゆえに、「性別役割」は変わり得ると指摘しました。そして性別役割の中で変化したものと変化しなかったものを具体例を挙げながら分かりやすく説明されました。ヘジャーズィー教授は、イランではパフラヴィー朝期において女性のアイデンティティが再定義され、それゆえ新たな「性別役割」が作られたと話しました。また、女性が固有のアイデンティティを持つようになると、文化的集合アイデンティティを重んじるイランの文化社会的価値観と相容れない可能性があるとの課題を示しました。なお、本セッションのモデレーターは山崎和美氏(横浜市立大学准教授)にお願いしました。

パネル1平尾.jpgセッション1.jpg平尾教授の報告                              パネルディスカッションの様子

第2セッション:教育と雇用の関係

第2セッションでは、横田響子氏(株式会社コラボラボ代表取締役)、ショフレ・カサエイ氏(シャリーフ工科大学教員)が、「教育と雇用の関係」というテーマで報告を行いました。横田氏は、女性の起業家を応援するコラボラボの活動を紹介し、長く堅実に続けられる事業を立てるのが女性起業家の強みであると続けました。カサエイ氏は、イランでは産官学が連携して、Knowledge-based companiesと呼ばれる高い専門性を持った人々が活躍できる場を支援していることを紹介しました。また、本セッションのモデレーターは森田豊子氏(鹿児島大学特任准教授)にお願いしました。

セッション2.jpgのサムネイル画像セッション2

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