2026年度 SPFインド北東部「平和を築く人材育成プログラム」参加者募集
2026年度SPFインド北東部「平和を築く人材育成プログラム」参加者募集を開始します。インド北東部は、民族・言語、宗教など多様な文化が共存する地域であり、日本とも文化的・歴史的にも近しい関係を持ちます。インド北東部の人々と、持続可能で平和な社会に向けて、活動できる日本人学生を募集します。(書類締め切り:2026年10月6日(火)17時締切(日本時間))
戦略対話・人材育成グループ(旧第1グループ)では、「インド北東部との複層的対話」事業における人材交流活動の一環として、公募による選抜を経た6人の日本人学生を2026年2月1日から2月12日までの12日間にわたりインド北東部に派遣しました。この滞在中に参加学生が感じたことや考えたことを、2回に分けて発信します。
本記事ではPart 1と題し、前半6日分を掲載します。※Part2(後半6日分)はこちら。
なお、本記事の内容は執筆者個人の見解であり、当財団の意見を示すものではありません。
デリーに到着したメンバー一同と現地のガイドの方
インディラ・ガンディー国際空港の手のオブジェ
グワハティ空港には「ようこそ、北東インドの入口へ」の文字が
Golanさんとのディスカッションの様子
インディラ・ガンディー国際空港の様子
最大政党であるBJP(インド人民党)の旗が道のあちこちに飾られていることも印象的でした。
メガラヤ州二日目は、Sohraという地域へのフィールドトリップと有識者との意見交換を通して、メガラヤに多く住むカシ族の歴史的価値観から現在の日常生活まで様々なことを教えてもらう一日となりました。カシ民族は母系社会で、全ての遺産を末娘が引き継ぐユニークな慣習を持つ民族です。フィールドトリップには、 セント・アンソニーズ大学のNathaniel Majaw氏と Fullstarwell Sohtun氏が同行してくれました。
はじめに入ったのは、ローカルなカフェ。伝統的な衣装(jaiñsem)をエプロンとして纏った女性たちが4人ほどで営んでいました。砂糖たっぷりのお茶と、素材をそのまま生かした味のお菓子を食べました。甘い・しょっぱいお菓子を日常的に食べている私たちには少し物足りない味でしたが、不要な油や砂糖を使わない、カシの人たちの生活が表れている品でした。
バングラデシュに繋がる山々の絶景を見たのちに向かったのは、カシ民族を代表する石碑とお墓でした。写真にある三つの石はそれぞれ、中央の一番大きい石が母方の叔父、その両脇が姪、横たわっているのが甥を象徴します。文献がありますので是非検索してみてください。
この石碑は、コミュニティに住む家族の話を口承で伝える重要な場所となっていました。しかし、この石碑やカシ民族独特の埋葬文化は、キリスト教の伝来によって今はほとんど姿を消してしまったようです。案内してくださった方が「私たちカシは、自分たちのルーツを知らなければならない」と強く仰っていたのがとても印象的でした。この方自身も、この石碑を研究対象にしていて、石碑のことを100%理解しているわけではありませんでした。土地を保証された民族たちが、自分たちを自分たちたらしめるユニークな生活様式を維持するために、どのように奮闘していくのかがとても気になるとともに、私自身も日本の伝統文化や伝統的な価値観の保護について改めて考えるよい機会になりました。
ローカルなカフェ
カシ民族の石碑
バングラデシュとの国境の方角。山々の中に小さなコミュニティが見える
Asian Confluence での有識者との対談
セント・アンソニーズ大学の学生との交流
シロン中心部の市場
振る舞っていただいた家庭料理
近隣の親戚も集まり、賑やかな夕食を囲みました
お土産にいただいた伝統衣装。ご兄弟が集合場所まで見送ってくれました
ダムの水を浄水施設へと押し上げるポンプの前に立つ、衛生工学局のエンジニアのMr. Pyndaplang Wahlang
山頂の浄水施設の様子
足もとを通る水は丁寧に浄化を済ませたものであるが、これからそれを運んでいく鉄製のパイプが錆びているため飲料には適さない、という説明を受ける
ヘルスセンターでは、廊下の至るところに健康情報をやさしく解説したポスターが貼られていた
セント・アンソニーズ大学のNathaniel Majaw氏とFullstarwell Sohtun氏
空港にて。メンバーに論文の構成について助言をいただく。
Guwahati-Itanagarを結ぶ小型機
State Officialの議場にて
午後にはラジブ・ガンディー大学(Rajiv Gandhi University)を訪問しました。温かい歓迎のオープニングセレモニーでは、副学長S K Nayak氏に歓迎のお言葉をいただきました。その後、少人数のグループに分かれ、大学生と「日本」や各自の専門分野をテーマにディスカッションを行いました。午前中に伺った政府の説明を踏まえつつ、政策の受益者でもある学生の視点に耳を傾けることで、政策と現場との間にある認識の差異や共通点が浮かび上がりました。
同年代である彼らとの率直な対話は、単なる情報収集にとどまらず、「何が本当に求められているのか」「私たちはいかなる形で北東インドへ協力し得るのか」という問いを改めて考える契機となりました。今回の訪問は、現場の声を踏まえた今後の研究と実践を構想するうえで、大きな一歩となりました。
Rajiv Gandhi Universityにて。歓迎の幕は、キャンパス内の至る所に
オープニングセレモニー
学生とのインタラクション