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【Ocean Newsletter】バックナンバー

第209号( 2009.04.20 発行)
第209号(2009.04.20 発行)

編集後記

ニューズレター編集代表(総合地球環境学研究所副所長・教授)◆秋道智彌

◆4月5日、秋田沖280kmの日本海に北朝鮮から発射された弾道ミサイルの部品が落下した。遊泳中の魚やクジラは仰天したにちがいない。日本中を震撼させた違法行為についておもうのは、日本が大陸と海を隔てて位置することである。仮定にしか過ぎないが、部品であっても陸地に落下すれば大惨事に結びついただけに、海は北朝鮮の暴挙から日本を救った。ただし、標的が陸に向けられる脅威は依然として存在する。こうした機会に海を考えることは重要だ。
◆船の科学館の小堀信幸さんは、海の展示で新しい試みを紹介されている。海洋基本法成立後、海に関する教育や啓発活動の重要性がようやく認識されてきた。海の学習といえば、魚や海の生物に関する分野が中心とされてきたなかで、領海や法律などに関する分野についての取り組みは大切だ。韓国では、子どもに竹島が自国領土であるとする教育を進めているという。
◆私は、数年前に竹島問題が大きく取り上げられたとき、韓国南部の麗水で講演会をした。反日の横断幕が乱立するなかで、日本人1人の会議で窮屈な思いをしたことがあった。韓国や中国では、海に対する研究や取り組みが非常にさかんだ。この5月末にふたたび「海洋文化とグローバリゼーション」のテーマで以前と同じ麗水で講演をすることになっている。トルコのイスタンブールで3月に開催された第5回世界水フォーラム会場で、麗水市が世界万博をおこなう宣伝をしていることを知った。
◆竹島とともに、北方4島も別の重要案件だ。若宮丸の漂流民についての話題を取り上げた大島幹雄さんは、1806年ロシアが国後・択捉島を占領した経緯についても触れている。長崎におけるレザーノフ・幕府会談の不調に起因する日ロ関係の悪化は、第2次大戦終結直前のソ連参戦による北方4島占拠まで尾をひいたのだ。
◆若宮丸や世界一周したナジェージュダ号は帆走船であり、風と海流頼みの航海であった。ミクロネシアの離島で聞いた話であるが、難破船などがあると、木は燃料に、クギや鉄などの部材は道具として珍重したという。使えるものはなんでも使ったということだが、金属中心に建造された現代の大型船舶となるとそうもいかない。しかも船は重量物であるだけに、リサイクルは手間暇とコストがかかる。国土交通省の加藤光一さんは、従来、途上国で行われてきた船のリサイクル産業に問題多しとして、日本が果たすべき役割を提言しておられる。本誌110号(2005.03.05)バングラデシュにおける船舶解撤場の問題を取り上げたが、それ以後の変化を読み取ることができる。北朝鮮のミサイル部品は海の藻屑と消えたが、老朽化した大型船舶をすべて海中に投棄するわけにはいかない。海の環境を考えるうえでも、日本の活躍に期待したいものだ。  (秋道)

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