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「海洋白書2018」発行のお知らせ

2018.04.16

海洋白書とは

 海洋政策研究所では、国内外の海洋・沿岸域に関するさまざまな出来事や動向を総合的・横断的にまとめた『海洋白書』を2004年に創刊し、これまで毎年刊行してきました。このたび15冊目となる「海洋白書2018」を発行しましたのでお知らせします。海洋白書は、最新の話題に合わせて毎年構成を見直しており、定型にはまらない章立てが特色のひとつです。中高生から専門家、政策決定者に至る幅広い読者に活用いただけるよう工夫をしています。


海洋白書2018オリジナルの海洋のSDGsアイコン  
※「海洋白書2018」のクレジット追加で自由に利用可能

『海洋白書2018』の特徴

 『海洋白書2018』は、2017年の1年間の話題を中心に国内外の海洋の諸問題を分野横断的に整理し、概観しております。9人の編集委員と各方面32人の執筆陣(うち5人は編集委員)が携わり、約1年かけて制作しました。

 2017年には、国際的には海洋のSDGs(国連持続可能な開発目標の目標14:SDG14)の実施への機運が高まり、6月に「国連海洋会議」が初めて開催されました。また、わが国では、海洋基本法が制定から10年を迎え、「第3期海洋基本計画」策定に向けて海洋政策に関する議論が活発化しました。『海洋白書2018』には、これら2017年を象徴する話題を軸に、現場を知る専門家が執筆に加わり、最新の情報を提供しています。また、今年初の試みとして、コラムを多数掲載しました。

第1部の注目点

 海洋をめぐる世界の取組みを第1章で特集し、第2章以降においてわが国の次期の第3期海洋基本計画策定に関連した出来事を紹介しています。特に第3章から第6章は、4つの主要テーマを踏まえて「海洋の安全」「海洋の産業利用」「海洋環境の保全」「海洋人材の育成」に着目した構成とし、総合海洋政策本部参与会議での議論に軸をすえて、関連施策について紹介しています。以下が、各章の概要とご注目いただきたい話題です。章や節ごとに抜粋して参照いただけるように編集しました。ご関心のあるテーマを活用ください。

 

序章:地球温暖化による海洋環境への影響などに触れつつ、『海洋白書2018』の全体像を示しています。海洋のSDGs(SDG14)について身近に感じていただけるように制作した海洋白書オリジナルのSDG14アイコンがここで登場します。

第1章:SDG14への関心が高まり、2017年7月に初めての「国連海洋会議」が開催された経緯から、SDG14に関する最新の動向まで。北極海をめぐる動向や太平洋島嶼国の海上保安能力強化の取組みについても紹介しています。

第2章:海洋基本法制定から10年の道のりを振り返りつつ、海洋環境の保全が海洋権益の確保に貢献することを示しています。また、次期の海洋基本計画策定に向けた2017年の取組みの全体像や、有人国境離島法に基づく施策について具体的に紹介しています。

第3章:近年の中国艦船・航空機の動きなどを示しつつ、日本を取り巻く海洋の安全保障に係る動向を紹介。第3期海洋基本計画の主要テーマである海洋の安全保障について、有識者が参与会議意見書を解説しています。

第4章:海域の産業利用が海洋権益確保に貢献することなどを踏まえ、海底資源開発の動向や海洋新産業の創出に向けた議論を解説しています。また、開発が進む海洋再生可能エネルギーの動向や、その具体例として、北九州での洋上風力発電事業を紹介しています。

第5章:世界的に設置が進む海洋保護区や、気候変動と海洋に関する議論を掲載。サンゴ礁の白化など具体的な課題とともに、SDGsや国際動向を踏まえた日本の海洋環境保全に向けた取組みを示しています。

第6章:海洋教育の推進に向けて、アンケート調査の結果に基づく、全国の教育現場における現状認識をまとめています。また、海洋人材の育成に向けた議論や日本財団の取組みを紹介しています。

 

第2部の注目点

 日誌形式で、国内外の2017年内の海洋に関する動向を分野別にまとめました。北朝鮮や北方領土の関連、外来種ヒアリの上陸など、第1部で取り上げていない幅広い課題にも言及しています。

 

【コラム記事を初掲載】

 今回、初の試みとして、随所にコラム記事を散りばめました。2017年の国内外の海洋に関する動向を特徴付ける話題を、より身近に理解していただけるよう、豆知識を織り交ぜ、読みやすい内容を目指しました。人類の共同財産である海洋のガバナンスを提唱したボルゲーゼ教授の「海洋の母が残したメッセージ」や、草の根の海洋教育の重要性を訴える「地道に伝える海洋研究の大切さ」に関するコラムなどを掲載しています。

 

タイトル一覧:「海洋の母」が残したメッセージ/「私たちの海洋」会議/両極の海氷を宇宙からモニタリング/「海と日本」に関する意識調査で世代間の違い明確に/MDAと海洋情報/二酸化炭素回収貯蔵(CCS)/サンマ資源をめぐる情勢/南極海に世界最大の海洋保護区が誕生/北上するサンゴの分布/地道に伝える海洋研究の大切さ/世界の海上保安機関のトップが東京で初会合/世界をあげて海底地形図の完成へ/国連「海洋と海洋法に関する国連非公式協議プロセス」

 

【販売元】

 

発行:2018年4月15日、(株)成山堂書店(TEL:03-3357-5861)

 

定価:本体2,000円(税別)/ISBN978-4-425-53165-63

 

販売:全国大手書店、Amazon等のインターネット通販でお求めいただけます。

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