太平洋島嶼国日本語教育調査計画書


1997年7月1日
笹川島嶼国基金事務局


I 調査背景

南太平洋大学における日本語教育の支援は1984年から1987年まで国際交流基金が日本語教師を派遣することによって行われていたが、政変で派遣を中止するに至った。このあと、1993年より笹川島嶼国基金が5年間の契約で日本語講座を寄贈してきた。 その期限が1998年で終わることを目前にし、1996年に、南太平洋大学の日本語教育の評価、および南太平洋地域の日本語教育全般についての調査を行い、今後の支援のあり方等に関する提言を含めて報告書が提出されている。
その報告書にある「同地域に関しては単に南太平洋大学および同地域の日本語教育に限らず、我が国として太平洋島嶼国全域にわたり日本語教育施策を考えていくことの必要性がある」を受けて、1997年には、北太平洋島嶼国(ミクロネシア地域)を対象に調査し、太平洋島嶼国全体を含めての日本語教育の実態を踏まえた上での今後の施策および支援のあり方の研究が待たれている。

II 調査目的

北太平洋島嶼国の日本語教育と遠隔教育の実態を調査し現状を把握、分析・研究する。その上で、1996年度の南太平洋地域における調査結果と併せて考察を行い、太平洋島嶼国全域における日本語教育の政策または支援に関し、今後の財団および他の関係機関や専門家の参考となるべく報告書を作成する。

III 調査チーム

昨年に引き続き太平洋島嶼国の知識を持つ国内の2名の日本語教育専門家に調査を依頼。海外調査時には現地の関係者の協力を得る。2名の専門家は共同調査として作業を分担し、報告書(英文サマリー付)を連名で提出する。

IV 調査内容と方法

1.日本国内における調査
 (1)ミクロネシア地域の教育機関からの既出報告書および情報の収集と分析
・事業実績の確認
・授業内容、教材、教師
・受講生数、国籍、成績等
・授業運営および環境(例:教育機関の管理事務局の協力体制)
 (2)国内の関係機関の同地域における日本語教育事業の調査分析
・国際交流基金、国際協力事業団、その他
 (3)日本国内の教育機関への島諸国留学生の現状把握
・留学生数、国籍等
・留学生との面談
2.海外調査
 (1)ミクロネシア地域の教育機関における日本語教育調査
・背景としての言語政策
・日本語教育を含む外国語教育の施策
・カリキュラム構成
 (2)日本語教育の実態視察
・授業見学、教師との面談、教材、参考書等
・遠隔教育の可能性
 (3)現地における日本語教育のニーズ、環境調査
・日本に関する情報の収集状況
・日本語学習者の学習動機と既習者の動向
・現地における日本語の使用状況
 (4)オーストラリア・ニュージーランド・アメリカ(主にハワイ)における
   日本語教育と島嶼国の日本語教育の比較分析
 (5)オーストラリア・ニュージーランド・アメリカ(主にハワイ)における
   島嶼国留学生の受け入れに関する諸状況調査
 (6)PEACESATを中心とする太平洋地域への遠隔教育についての予備調査

 第1回海外調査
出張先:ハワイ    
出張期間:1997年8月17日〜24日
 第2回海外調査
出張先:グアム、パラオ、ポナペ、チュック、マジュロ
出張期間:1997年9月2日〜21日
 第3回海外調査
出張先:ヤップ、北マリアナ諸島
出張期間:1998年1月13日〜20日

<訪問機関>
国内: 太平洋島嶼国在日大使館、外務省、JICA、国際交流基金、その他日
本語教育関係機関
国外: ハワイ大学、グアム大学、パラオ・コミュニティカレッジ、ミクロネ
シア・コミュニティカレッジ、マーシャル諸島コミュニティカレッジ。
その他、日本語教育が行われている高校等。ハワイPEACESAT本部。
ハワイ、グアム、ミクロネシア連邦、マーシャル諸島共和国日本大使
館および領事館。各島嶼国の教育・行政機関。および関係者。

V 報告書作成

1996年に実施、提出された評価報告書の構成案を含み、具体的な調査計画を1997年7月末までに提出すること。 報告書は少なくとも下記の課題を含むこと。
1. 太平洋島嶼国における日本語教育
 
1-1 現地の日本語教育のニーズと現状
1-2 当該国、当該地方の言語政策、外国語教育の施策、特に日本語について
1-3 日本語学習目的と動機、教育内容、教育方法、教員、教材 
1-4 日本に関する情報収集の実態
2. 太平洋島嶼国地域の遠隔教育について
1-1 各国の遠隔教育への取り組みの現状
1-2 PEACESAT本部の事業について
1-3 今後の遠隔教育の課題と展望
3. 「太平洋島嶼国地域における日本語教育について」現状・課題・展望

VI 調査期間

本調査は1997年6月〜1998年3月の10ヵ月を限度とし、6月末には調査計画書を作成。12月末には報告書案を提出し最終報告書は年度末に作成。

VII 調査報告書の利用方法

調査書は笹川平和財団、および関係機関、専門家が太平洋島嶼国に対する今後の日本語教育施策のための資料とすべく、財団で印刷出版し配布する。




戻る

[笹川島嶼国基金の設立経緯 ] [ガイドライン] [事務局の役割・組織] [事業一覧('90〜'98)] ['97年度の事業報告] ['98年度の事業内容]
[COCONUTS通信] [やしの実大学]

HOME

HP