COCONUTS通信 No.14
太平洋の世紀に生きる島々の集まりとしての「メラネシア」という概念は、西洋の社会学者と歴史学者によって、決められたものの一つです。彼らによると、ポリネシア、ミクロネシア、メラネシアを含む、3つの主要な太平洋のグループがあることになります。私がこれからお話ししようとするメラネシアは、次の国々から成っています。すなわち、パプア・ニューギニア、ソロモン諸島、バヌアツ、ニュー・カレドニア、フィジーです。 繰り返しますが、歴史学者は、例えば有名なラピタ式土器や、言語において手掛かりとなる語彙の類似といった、考古学的な発見を例証として、これらの国々を通俗的にひとまとめにしています。しかし、今日のメラネシアは100年前とは大変異なっています。そのため、今日、21世紀におけるメラネシアについて話すことは、むずかしい課題であると言えます。私がむずかしい課題であるというのは、メラネシアが、アジア地域と同様、広く、多様で多くの側面を持っているからです。しかし、私は、今日いただいた短い時間の中で、いわゆる「太平洋世紀」である21世紀における、メラネシアについて論じてみたいと思います。つたない試みではありますが、私は、次のような、3つの主要なテーマに従い、メラネシアのことをあきらかにしたいと思います。つまり、第一に人々と社会、次に政府と政治、そして最後に経済と発展です。 太平洋の同じ地域を分けあっていることに加えて、メラネシアの人々が共通に持っていることは数多くあります。しかし、もちろん、同様に彼らを分かつことも数多くあります。工業化と経済発展につれて、伝統的なメラネシア社会は変化することを余儀なくされました。社会的な変化が最も感じられる例で、目立つものをいくつか挙げると、 ・社会における女性の役割 ・伝統的なものから非伝統的なものへの、指導的役割の変化 ・社会における家族の役割 ・信仰心 ・教育の影響 といったものを指摘できますが、あくまでもこれらはいくつかに過ぎません。 社会における女性の役割 伝統的なものから非伝統的なものへの、指導的役割の変化学歴は、指導的地位につくことにおいて重要な条件となってきました。指導的役割について、少し前までは酋長、もしくは伝統的な組織によって指名された人々が行ってきました。しかし最近では、業績と、労働経験と資格によって任命されています。 家族 宗教の役割 教育の影響 そして最後に、経済と発展 *1995年12月太平洋学会が主催したシンポジウムで発表されたものです。
COCONUTS Newsだだっ広い太平洋に点々とある島嶼国ですが、通信事情が悪いにもかかわらず噂はすぐ広まります。アイランダーはこれを、島々に立ち並ぶココナッツに例えて「COCONUTS
Wireless」とか「COCONUTS NEWS」とか言っています。SPINF事務局に舞い込んだcoconuts情報です。 ■MILAD'L DIL--Palauの非営利団体の紹介 MILAD'L DILは1993年9月にパラオ政府より非営利団体として認められた、女性のNGOグループです。メンバーは現在17名で、20代〜40代位まで。未婚者も、既婚者も、子供のいる人もいない人も様々です。メンバーはパラオ共和国の首都コロールに在住しているか、通勤している人たちです。17人の正規メンバー以外の名誉会員にはパラオ人でない女性も入っているということです。グループ名のMILAD'L
DILは、英語にするとMILAD of Young Womenということだそうです。MILADというのは、パラオの伝説の女神で、現在の酋長たちの始まりになる人達(4人)を産んだといわれている女神でパラオでは大変有名です。MILAD'L
DILの人々は、新しい社会における女性の地位や社会との関わりについて、特に働く女性、中でも働く妻や働く母の有り様について、日本の人々と話し合い、色々学びたいという希望を持っています。彼女達は、パラオの国内では(別紙参照)主として教育問題にとりくんでいます。この教育問題とはひとつは、学校の設備に関するもので、図書やらスポーツ用具やらの調達ということです。もうひとつは子供達との行事を通じての交流です。パラオでの教育問題は、いじめや偏差値教育ではなく、中・高生の飲酒やドラッグ(主に大麻ーマリファナです。パラオでは天然に大麻が大量に自生しているためマリファナの入手は容易です)問題です。高校生の妊娠、結婚は珍しくありませんが、早婚・早産が伝統的に当たり前で、性に開放的なこの国では特に問題にはなっていません。子供達の学習意欲向上も問題のひとつです。パラオにとっては国作りのために高等教育、専門教育の充実が重要な問題になっていますが、MILAD'L
DILの人々は、小・中・高校の教育を主に考え、地域社会の女性の力での助成を目指しているようです。パラオにおける女性の地位は、日本とは大きく違っております。今でも大家族制が中心ですので、母親は、おばあちゃんや叔母(伯母)さんに子供を頼んで働きにいくことができます。それはむしろこの国では当たり前のことです。
又、この国における女性の力は大変強いものがあります。今でも伝統的な酋長制度が生活の中で機能し、(憲法上でも酋長の存在が認められており、大統領への諮問期間として酋長評議会が設置されている)そこではクラン(族、いわば大ファミリー)が強く機能しています。古来より、酋長は男性で司法、行政を握っているのですが、男性の酋長を任命するのは女性達です。女性達の間には女性の酋長制があり、その高位者達により全体の酋長である男性酋長が任命されるのです。又、女性酋長達は、男性酋長の寵免権も持っており、実際、過去には女性達により寵面された酋長もいます。こうした女性グループは伝統的制度の中だけでなく、近代政治の中でも様々に活動し、力を持っています。MILAD'L
DILの人達も、女性は選挙に強い影響力を持っており、又、選挙で選ばれた人々に影響力を持っていると自負していました。日本では、マリファナは手に入りにくいため中・高生の非行として大きな社会的問題にはなっていないことや、飲酒についても大きな問題になっていない(パラオでは高校生が酔っ払ってフラフラ歩き回ったり、ケンカ騒ぎをおこすのは珍しくない)というとビックリしていました。又、女性の地位の問題でも、むしろ日本の女性は一般的にはそれほど強い社会的立場にないことを説明するとその違いにとまどっておりました。パラオでは、最上級職はともかく、政府でも上級職や中級職では女性が多く(むしろ男性より女性の方がめだちます)社会情況は大きく違っています。相互のベースが違うため、そこに気をつけないとコミュニケーションがとりにくいと思いますが、逆に、先進国といわれ、物の面では豊富でありながらも精神的には行きづまっている日本の人々と、物や金では劣っていても自然を背景とした伝統的社会システム??oックに生き生きと活動するパラオの女性グループの交流は意義あることと思われます。MILAD'L
DILの人々は、日本側のグループは女性だけでなくても、女性問題と子供の問題を中心に考えられればかまわないと言っております。どなたか交流してみませんか?交流に当たっては英語でのやりとりが前提になります。さしあたっての連絡は手紙でということになります。 〒143 大田区大森北2丁目12-8-606 あみのさん 上原 伸一 TEL & FAX 03-3768-9514
■パラオ共和国の3日間に亘る独立式典の ダイジェスト・ビデオ 昨年10月1日のパラオ共和国独立から早くも1年が過ぎました。パラオの国造りはなかなか大変な様です。又、フランスの核実験再開もあり、太平洋島嶼国は何かと話題になっております。さて、このたび昨年のパラオ独立記念式典の模様を61分のビデオにまとめました。阪神大震災など諸般の事情で大変遅くなってしまいましたが、記録としてまとまったものになったと思っております。別紙のビラにてご案内させて頂きます。1万円と値段が高くて心苦しい次第ですが、これでも十分赤字ですのでご容赦ください。
ご希望の方は、あみのさんまで FAX 又は葉書でお申し込み下さい。 VHSビデオ 61分 REPUBLIC OF PALAU INDEPENDENCE CELEBRATION Sept. 30 ~ Oct. 2, 1994
■ブンブンプロジェクト 前略 また、少し欲ばり、ロンゲラップ島民が疎開生活を送るメジャト島とイバイ島を訪ねる旅(P-3参照)のプランも企画しました。この機会にロンゲラップ島民の生の声と生活に触れたいと思っておられる方はぜひご参加ください。
両プランとも、太平洋友の会とブンブンプロジェクト(神奈川・京都)で受付ますが、詳細などについては当面、ブンブンプロジェクト神奈川事務局(下記)に連絡して下さい。
■日本クック諸島友好協会 ニュースレター創刊号届く COCONUTS通信 No.12で紹介した日本クック諸島友好協会のニュースレター「Taku
Ipukarea News」が創刊されました。創刊号目次は。。。。。。
■奄美の「やしの実会」主催『リーフと遊ぼう』 もう終わってしまった情報ですが、これからの旧暦行事に参加希望の方は奄美の「やしの実会」まで
SPINF News
■平成8年度事業紹介 1996年3月の笹川平和財団理事会で承認された事業は以下の7件です。 が6月来日。鎌倉FMと宮古島記者クラブに受け入れをしていただく予定。
■New Face 島嶼国基金事業室に新たに堀武昭アドバイザーと光永展子プログラムアシスタントがこの4月から加わりました。今までこのCoconuts通信の入力作業や各事務サポートをしてくれていた関口美香さんは事業管理室に移動。この場を借りて約2年間どうもありがとう。 堀さんは「マグロと日本人」(NHKブックス)や「南太平洋とダイビング」(マルゼンブックス)など太平洋島嶼国に関する本を書いています。
■笹川島嶼国基金「太平洋島嶼国遠隔教育支援プログラム」 笹川島嶼国基金はミクロネシア、メラネシア、ポリネシアと呼ばれる太平洋島嶼地域の国々と日本および世界各国の相互理解,相互協力の促進を目的として、1988年笹川平和財団内に設立されました。現在,人物交流,人材育成そして情報通信の開発という3つの分野を優先領域として各種の支援事業を実施しています。この4月からは特に人材育成のための情報通信の開発に重点をおいた「太平洋島嶼国遠隔教育支援プログラム」を推進することとなりました。 地球表面積の約3分の1を占める太平洋には1万以上の島々が散在します。地理的隔絶性と偏狭性は島に住む人々の教育の大きな障害となっています。今までにNASAの中古衛星を利用した福祉,教育利用のためのPEACESATや地域高等教育機関である南太平洋大学の各分校を結んだUSPNET等、さまざまな遠隔教育開発の努力が進められてきました。一方,世界の通信技術は飛躍的に進歩し続け,質の高い教育環境は地球のどこにいても平等に得られるものになりつつあります。太平洋島嶼国地域でも、そのような技術進歩の成果と各国の遠隔教育の経験を生かしつつ、域内各国の教育ニ−ズをより有効に満たすための試みを積み重ねる必要があります。 そこで「太平洋島嶼国遠隔教育支援プログラム」では、 地理的隔絶性と文化的多様性を持つ太平洋島嶼地域での地域協力による遠隔教育事業の推進は、太平洋島嶼国が自らの価値・文化を創造し世界へ発信する可能性をもつものであり、先端技術の適正な利用と地域社会との調和を尊重した教育内容の開発という大きな課題へのチャレンジでもあります。笹川島嶼国基金が進めていく「太平洋島嶼国遠隔教育支援プログラム」は衛星システム構築支援といった大規模のものだけでなく、現地の教師や技術者の創造性と自発性を尊重した地道な活動支援にも十分配慮しながら事業展開を図るつもりです。 詳しくは島嶼国基金事務局までお問い合わせください。
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