
自主 笹川平和財団
委託 Pacific Islands News Association(PINA)
(太平洋島嶼国報道協会/フィジー)(2000〜03年度)
2004年度事業費 538,292円
事業費総額 18,089,276円
| 太平洋島嶼国と日本は、民間投資や開発援助の増加に伴い、年々関係が深まっています。笹川太平洋島嶼国基金では、太平洋島嶼地域における日本理解の促進を目的に、1991年から約10年間に60人以上の同地域のメディア関係者を日本に招へいしました。太平洋島嶼国のメディア関係者や日本の太平洋島嶼国関係者からこの事業の成果が評価され、さらに5年の継続となったのが本事業です。 2000年に開始した本事業では、延べ28人の太平洋島嶼地域のメディア関係者を招へいしました。00年と03年にはそれぞれ宮崎、沖縄で開催された日本政府主催の「島サミット」の取材を行い、会議の成果を広く太平洋の人々に発信し、日本に対する理解を促進しました。また、国連と日本政府が主催した「世界情報社会サミット・アジア太平洋地域会合」への参加取材など、テーマを絞った取材を行ってきました。参加したジャーナリストは、帰国後、所属するメディアに取材記事を書いたほか、インターネットや地域メディアに積極的に情報を配信しました。太平洋島嶼国のジャーナリスト招へいは日本政府も毎年行っていますが、当基金では北マリアナ諸島、グアム、タヒチ、ニューカレドニア、ハワイ、アメリカンサモアなど、日本政府が対象としない地域のジャーナリストの招へいも積極的に行いました。 日本からは00年、01年に八重山諸島、宮古島の地方新聞社記者計6人がフィジー、パラオを訪問し、エコ・ツーリズムや島の地場産業、環境問題など共通テーマについて取材し、帰国後、所属するメディアで紹介しました。02年には産経新聞社会部の記者が、フィジー、キリバス、ツバル、パラオ、マーシャル諸島、ミクロネシア連邦の太平洋全域を訪れ、環境、政治、経済、教育と広い分野で同紙(全国版)に連載記事を執筆し、国内の太平洋島嶼国理解を深めました。なお、これらの事業実施にあたっては、太平洋島嶼国のメディア機関である太平洋島嶼国報道協会(PINA)にカウンターパートとして協力していただきました。 さらに、91年度から13年間にわたって実施してきたメディア事業を総括するため、外部専門機関「パシフィック・マガジン」(ホノルル)が事業評価を行い、当該地域のメディアの実態と課題、また今後の事業展開に参考となる提言も含めた報告書が提出されました。 (5年継続事業の5年目) |
太平洋やしの実大学
自主 笹川平和財団
2004年度事業 5,489,611円
事業費総額 25,917,843円
| 笹川太平洋島嶼国基金では、太平洋島嶼国の人々と同じ島の視点をもつ日本の島々こそ両地域の共通の課題を話し合えるという観点から、1994〜96年に8回の「島を語る会」を開催しました。その結果、日本国内における太平洋島嶼理解が重要であることが改めて認識され、97年に「やしの実大学」事業が始まりました。 2000年度には第2フェーズとして本事業を開始し、オフラインの公開講座と、オンラインのバーチャル大学で太平洋島嶼国の情報を発信してきました。 公開講座は、太平洋島嶼国と環境の似ている沖縄の八重山諸島において、計4回(01年度は事情により中止)行われました。「海を越えて--太平洋・八重山島人の歴史と未来を語る」「海の文化を訪ねて--ジュゴンの新城島、舟づくりの黒島」「パイパティローマ伝説と南十字星のロマン」「島に生きる--癒しの島・鳩間島とちゅらさんの島・小浜島」というテーマで、パラオ共和国駐日大使(当時)のマサオ・サルバドール氏、建築家の團紀彦氏、ハワイ・ビショップ博物館の篠遠喜彦博士といった方々を講師に迎え、毎回40〜70人の一般の人々が参加しました。公開講座の実施にあたっては、やしの実大学八重山実行委員会(委員長友寄英正氏)が設置され、自主的に運営されました。 「やしの実大学」バーチャルクラス(www.yashinomi.to)では、太平洋ニュースを隔週で更新し、ミクロネシア講座の更新や既存データの修正なども行いました。月平均3万のアクセスがあり、学校の副教材として利用されたり、テレビ番組などのメディア関係者が参考資料として利用するなど幅広い層に活用されました。 また、観光研修パイロット事業として、03、04年度にパプアニューギニア大使館、日本パプアニューギニア協会などとの共催で、パプアニューギニアから3人の観光業関係者を招へいしました。八重山実行委員会が受け入れ先となり「島」の観光を学びました。 最終年度には、講座参加者、共同主催者などの関係者から多くの継続を望む声と、次のような改善提案が寄せられました。(1)中休みをしないで継続する、(2)公開講座開催地を八重山諸島に限らず、広く奄美、沖縄本島近辺の離島、宮古島にも広げ、台湾も視野に入れる、(3)太平洋島嶼国からの招へい者を増やす(学生、ジャーナリスト、歴史研究者など)、(4)具体的なテーマを設定する(将来の技術協力につながるような工芸や、健康問題にかかわる伝統食品など)。こうした提案を受け、琉球大学が本事業への協力を検討してくれることになりました。05年度には「島を語る会?」として本事業を検討する機会を設ける予定です。 (5年継続事業の5年目) |

西太平洋における遠隔教育連盟設立支援
部分助成 University of Guam(グアム大学/米国)
2004年度事業費 5,324,500 円
| 西太平洋地域のミクロネシア諸国を中心とした島嶼国の地域協力の枠組みづくりと、遠隔教育・遠隔医療の質的向上を目的とした事業です。第1段階では、ニーズ調査と遠隔教育政策案策定、遠隔教育連盟の設立と具体的な事業計画案策定を、第2段階では、遠隔教育のための衛星ネットワークの調査とキャパシティ・ビルディングを行いました。 第3段階に入った本年度は、前年の調査結果を受けて、離島を対象としたパイロット事業として、ヤップの14の離島に高周波無線通信システムを使った電子メールを導入し、遠隔教育・遠隔医療の環境を整えました。 そして、第1段階に策定した計画に従い、6地域から提出された14件の申請から12件を選び、遠隔教育・遠隔医療の教材とマニュアル作成に着手しました。また、2004年8月16〜18日に、グアム大学で遠隔教育に関するワークショップを開催しました。さらに、次年度制作予定の、啓蒙を目的とした事業紹介ビデオの素材収集と編集を行いました。 (5年継続事業の4年目) |
部分助成 Micronesian Seminar
(ミクロネシアン・セミナー/ミクロネシア連邦)
2004年度事業費 3,183,300円
事業費総額 9,949,300円
| 独立後、米国から莫大な資金援助を受け、急激な近代化を進めているミクロネシア地域では、近代化による社会のゆがみが、世界一高い青少年の自殺率をはじめ、さまざまな問題となって表面化しています。しかし、同地域には伝統的社会構造が根強く残っており、メディアなど、情報の公開や公共の協議の場が整備されておらず、ミクロネシアの人々は、直面している社会問題を公に議論する機会をもたないままでいます。また、米国に就労・留学している2万5000人以上のミクロネシア人が、帰国後に母国の現状に対応できないという状況もあります。 ポナペのミクロネシアン・セミナーは、地域で唯一、系統的にミクロネシア諸国のアーカイブをまとめている組織であり、また、ビデオ、ニューズレターなどのメディアを利用し、積極的に社会問題を協議する場をコミュニティに提供してきました。本事業は、ミクロネシア地域が直面している社会問題を解決する1つの手段として、古い写真を用いてミクロネシアの過去1世紀半の歴史を辿るオンライン・アルバムの作成を行うというものです。 2年度目には事業担当者が2週間日本を訪問し、国立民族学博物館の印東道子教授、山口洋兒氏の個人コレクション、沖縄の団体から寄贈を受けた写真入りの本など、約700点もの南洋庁時代の写真を収集しました。その成果は、「町の出現」「大型ビジネスの時代」「日本の旗がひるがえった」という3つの日本統治時代をテーマとしたものを含む計6つのオンライン・アルバムとしてウェブサイト(www.micsem.org)で公開され、約10万もの月間ページビューを記録しました。 3年間に作成されたアルバムは、教育・女性問題、ドイツ統治時代、日本統治時代、アメリカ統治時代など幅広いテーマの下、「ミクロネシアの教育略史」「女性たちはどこにいたのか?」「パラオの激戦」など、19に及びます。本事業は産経新聞にも紹介され、日本の南洋庁時代を含む貴重な歴史資料として高く評価されています。これらのデジタル・データは日本語に翻訳され、「やしの実大学」のウェブサイト(www.yashinomi.to)に掲載されています。 また、域内の短期大学の学生を対象にインターネット上でのフォーラム・ディスカッションを試みましたが、教師の時間的制約のためうまく進みませんでした。そこで2年度目には対象を広く一般の人々としたところ、3年度目には月間約3万7000件のアクセスがあり、活発な議論が展開されるサイトとなりました。 (3年継続事業の3年目) |
太平洋島嶼国のデジタル・オポチュニティ研究会/フェーズII
自主 笹川平和財団
委託 Foundation for Development Cooperation(オーストラリア)
University of Hawaii(ハワイ大学/米国)
2004年度事業費 5,050,771円
| 情報通信格差の問題は国際協力の枠組みで議論されていますが、太平洋島嶼国がそこに含まれる機会は多くありません。本年度からフェーズIIに入った本事業では、フェーズI
同様、U N E S C O 、P T C ( Pacific Telecommunications Council/太平洋電気通信協議会)、WHOなどの関係機関と協力しつつ、遠隔医療・遠隔教育・自然災害予防など福祉の向上を目的としたIT開発政策の啓蒙活動を行いました。 本年度は、フェーズIで作成したドラフトを修正した報告書を関係諸機関に配付し、ウェブサイト(www.yashinomi.to)にも掲載しました。また、報告書の提言を啓蒙するため、関係機関と協力して「テレセンター・ワークショップ」(2004年12月1〜3日、於ブリスベン)、「遠隔医療、通信政策ワークショップ」(05年1月14〜19日、於ハワイ)という2つのワークショップを開催しました。さらに、情報収集、調査、研究のため、04年12月にフィジーで開催されたWHO西太平洋事務所主催の医療遠隔教育ワークショップに、研究会委員2人を派遣しました。 (2年継続事業の1年目) |
[HP]