
実施者・・・・笹川平和財団(自主)
事業費総額(9年継続事業)・・・89,319,111円
1999年度事業費・・・・4,998,767円
| 太平洋島嶼国基金の自主事業として1991年から開始した「太平洋島嶼地域メディア関係者招へい」事業は本年度で8回目を迎え、その第一フェーズを終了しました。 太平洋島嶼国における日本の情報は、主に旧宗主国のメディアから発信されており、西欧の価値観に則ったものでした。 日本と太平洋島嶼国は、同じアジアの海洋国家として、共通の文化をもっています。本事業は、日本と太平洋島嶼国の相互理解促進のために、太平洋島嶼国のメディア関係者を日本に招いて、直接日本の社会を取材してもらおうというものです。 試行錯誤を重ねた結果、94年度から、太平洋地域の報道協会(Pacific Islands News Association: PINA)をパートナーとして、取材内容の検討、招へい者の選定を行うとともに、日本取材プログラムに奄美、沖縄の宮古島、八重山諸島を組み込みました。その選定理由は、?沖縄本島を除けば、日本の離島の中でこの3島だけが、それぞれ2つの新聞を発行している、?同じ珊瑚礁文化で、依存経済から脱却しようと独自の文化を育成しつつ自立に向かって努力している、という2点です。 また、太平洋島嶼国からのメディア関係者を日本に招くとともに、94年度からは、受け入れ先である奄美、宮古島、八重山諸島のジャーナリストたちに、太平洋島嶼国を訪問してもらいました。この訪問で新鮮な刺激を受けたジャーナリストたちによって、帰国後、太平洋島嶼国を紹介するたくさんの記事やテレビ番組が作成されました。 歴史が浅く、人材育成の支援が望まれている太平洋島嶼国のメディアにとって、日本訪問は直接的な人材育成でこそないものの、異文化への記者としての接し方、日本のジャーナリストとの意見交換など、オンザジョブトレーニングとしての役割も果たしてきたようです。 最近では、インターネットの普及により、日本にいても、キリバスの選挙結果を翌日に知ることができます。太平洋島嶼国でもインターネットが普及しつつありますが、その環境は先進国とは大きく隔たっており、「情報格差」の問題も新たに懸念されています。当基金では、PINAのウィリアム・パーキンソン会長、ニナ・ラトゥレレ事務局長と協議した結果、沖縄と太平洋島嶼国のジャーナリストの交流に重点をおき、2000年度から第二フェーズとして本事業を継続していくことを決定しました。(9 年継続事業の 9 年目) |
実施者・・・・笹川平和財団(自主)
事業費総額(3年継続事業)・・・14,092,210円
1999年度事業費・・・・4,508,494円
| 笹川太平洋島嶼国基金では、1994年から3年間、自主事業として「島を語る会」という会議を8回開催しました。この会議は、国内のジャーナリスト、NGO、外務省、JICA、文化人類学者、島嶼国からの留学生や在日大使館職員らが、日本の離島、奄美大島や佐渡島に集まり、太平洋の島々と日本の交流や協力関係のあり方について自由に語り合おうというものでした。その会議での太平洋島嶼国を知る努力を国内で継続的に行おうという発案から生まれたのが、「やしの実大学」です。 この提案を受けるかたちで、97年より3年間、基金の自主事業として、インターネットを利用したバーチャルクラスの開設と日本の八重山諸島などで講師を招いた公開講座を実施し、太平洋島嶼国に関する情報の発信、理解の促進をはかりました。 バーチャルクラス(http://www.yashinomi.to)には3年間で1万人のアクセスがあったほか、約100人の入学登録者(メーリングリスト参加者)があり、活発に双方向の情報交換が行われれました。また、「Dr. Sinotoの楽園考古学」、「小菅教授の太平洋電気通信講座」,「WWFの太平洋環境講座」、「中島先生のハファデイ講座」、「ヘーゼル神父のミクロネシア講座」、「アイランダーが語る島講座」、「太平洋雑学講座」、「片山教授のポリネシア講座」がバーチャルクラスで開講され、写真を含む多くのデータが掲載されました。 公開講座は、97年は「第1回やしの実大学 in 八重山/テーマ:島のアイデンティティーを求めて――島社会の考古学」、98年は「第2回やしの実大学in八重山/テーマ:島の文化と継承─―島のアイデンティティーを求めて」、99年は「やしの実大学公開講座in与那国/テーマ:太平洋の古代文明と与那国の謎の海底遺跡――島のアイデンティティーを求めて」が開催され、延べ500人もの参加者を得ることができました。公開講座の実施に際しては、「やしの実大学八重山実行委員会」が設置され、地元主導による企画・運営が実現されました。また、ハワイのビショップ博物館考古学者・篠遠喜彦博士、グアム大学ホセ・ネデドッグ学長、サモア、ニウエの高校の歴史教師など、多彩な顔触れの講師陣と、講演会のあとのフィールドスタディや懇親会などで、文化交流が行われました。 なお本事業は、太平洋島嶼国と沖縄を結ぶ基金の新ガイドラインとも合致しており、各方面からの評価も高いことから、2000年度から5年間継続して実施することが決定されました。 (3 年継続事業の 3 年目) |
実施者・・・・ニューサウスウェールズ大学
University of New South Wales/オーストラリア(助成)
事業費総額(5年継続事業)・・・58,211,435円
1999年度事業費・・・・6,779,500円
| 現在、太平洋島嶼国で使われている社会科学・歴史の教科書は、ニュージーランドやオーストラリアで使用されているもの、もしくは米国、ニュージーランド、オーストラリアの専門家が手掛けたものが多いのが現状です。しかし、太平洋島嶼国の人々は、自分たちの歴史や文化を自分たちの手で表わしたいと望んでいます。過去に、国連教育科学文化機関(ユネスコ)やニュージーランド政府の主導で、各国の文部大臣が集まり、何度か国際会議が開催されましたが、具体的な行動には至りませんでした。そこで本事業では、現場教師を中心に、同地域の地理、政治、環境、文化、歴史など、すべての社会学、社会科学を含む内容の教科書を作成しようと試みました。 まず、情報の共有を目的に各国に教師連盟が設立され、5年間で、サモア、フィジー、クック諸島、ソロモン諸島、パプアニューギニア、トンガ、ニューカレドニア、ナウル、キリバス各国に社会科教師連盟が設立されました。そして、地域の情報共有と協働作業を容易にするため、太平洋島嶼地域社会科教師連盟会長会議が1998年に設立されました。さらに歴史教材を作るための教師用ガイドブックや100冊の参考図書を紹介したブックレット、フィールドスタディ用の文化遺跡案内など、約20冊の出版物が作成され、太平洋島嶼国全域の教師に配付され、高い評価を得ています。なお、最終年度にビデオ教材「Niu History Video」を作成予定でしたが、予定していた他の援助団体からの資金援助が得られなかったため、完成には至りませんでした。 また、活発な活動と組織化が評価され、ハワイに本部のある大平洋教育研究協会 (PREL) やオーストラリア国際開発庁(AusAID)、ユネスコ、大平洋博物館協会(PIMA)等の組織から支援を受けるなど、共同事業の展開にも成功しています。 本事業の立ち上げに際しては、助成先のニューサウスウェールズ大学のグラント・マッコール教授とクイーンズランド工科大学のマックス・クアンチ博士の尽力によるところが大きかったのですが、助成最終年度の5年目に事務局をサモアのサモア国立大学内に開設し、オーストラリアのイニシアチブに始まった同事業は、自立した運営体系を構築することとなりました。(5 年継続事業の 5 年目) |
実施者・・・・社団法人 国際日本語普及協会( 部分助成)
事業年数・・・3年継続事業の1年目
1999年度事業費・・・・5,000,000円
| 太平洋島嶼地域では、日本語教育および日本文化の紹介に対するニーズがあるにもかかわらず、いまだに全域的には十分な支援体制が整っていません。特に、ODA対象外のグアム、サイパンなど北マリアナ地域においては、現地に高いニーズが存在するにもかかわらず適切な対応がなされていません。 本事業は、北マリアナ地域を中心に、現地教育機関との連携の下、適切な日本語教育および日本文化紹介に関する支援システムの研究開発を行うことを目的としています。初年度は、現地の教育機関などと適切な協力関係を立ち上げ、日本から教員1人をマリアナ高校へ派遣しました。さらに将来へ向けて、マリアナ諸島と沖縄の姉妹校提携の可能性についても検討されました。(3 年継続事業の 1 年目) |

実施者・・・・グアム大学
University of Guam/グアム(助成)
事業費総額(3年継続事業)・・・21,651,262円
1999年度事業費・・・・4,782,900円
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ミクロネシア地域では、限られた高等教育機関でのみ看護医療教育が行われています。これらの学校の卒業生は、300以上ある離島に戻り、医療のための基本的なインフラさえ整備されていない環境の中で、医療活動を続けています。設備の整った病院は、ミクロネシア地域ではグアムにしかありません。しかし、輸送手段が限られており、経済的な理由からも患者は離島に留まらざるを得ず、人命を守るための適切な処置を施すことができません。医師の数も限られており、人命救助から島民の健康管理に至るまで、看護婦1人で行っているという状態です。 本事業は、1970年代から太平洋地域の教育福祉利用に無料でサービスを提供している米国の衛星(PEACESAT)、ビデオ教材、インターネットなど、さまざまなメディアを利用し、ミクロネシア地域の文化的、物理的ニーズに合った遠隔教育開発と制度の確立を目指してきました。また、この3年間、パラオ、ミクロネシア連邦、マーシャル諸島共和国の短期大学や病院など、関係団体の看護医療教育の人材や経験を生かしつつ、ミクロネシア地域の遠隔教育プログラムの質的向上を目指す試みを行ってきました。 勤労学生が学びやすいように、また島独自の文化、社会的特徴に適合するように、既存のコースを改善したり、新たなコースを設けるなど、さまざまな試みも行いました。 仕事を終えてから受講をする学生のためには夜間教室が開かれていますが、一番西のパラオと一番東のマーシャル諸島では3時間の時差があります。授業の終了時間が夜中になってしまうなど、多くの課題を克服しなければなりませんでした。特に、音声のみに頼る遠隔教育システムに学習者が適応できるよう、各受講サイトにコーディネーターを配置し、グアム大学本部と連携を強化しつつ、受講生の学習支援体制づくりに尽力しました。3年間での受講生は延べ300人にも達し、遠隔教育用教材も多く開発されました。 さらに、大平洋共同体事務局やWHO(世界保健機関)など、関係機関からも高い評価を受け、今後の支援、協力体制基盤を強化することもできました。また、本事業を実施したグアム大学の看護学科は、その実績が認められ、米国の大学審査委員会の承認を受けて学部へ昇格しました。ミクロネシア地域の看護医療教育のリーダーとして、より大きな期待が寄せられています。 本事業の経験は、遠隔教育の発展がIT技術のみに頼るものではなく、現場の人々の絶え間ない、地道な努力によるものであることを教えてくれました。(3 年継続事業の 3 年目) |
実施者・・・・ ハワイ大学
University of Hawaii/ハワイ(助成)
事業年数・・・3年継続事業の2年目
1999年度事業費・・・・5,572,162円
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広大な太平洋に散在する島々での遠隔教育システム構築は、同地域の人材育成にかかわる重要課題と言えます。他方、アジア太平洋地域の情報通信分野の政策、技術が目覚しく変化するなか、現場の教育者、通信事業者、政府関係者は、その動向や実態に関する情報や訓練を十分得られないでいます。 本年度は、グアム、マリアナ諸島、米領サモアが、米国の補助制度であるユニバーサル・サービス・ファンドの支援を得て、各地域のすべての学校がインターネットにアクセスできる環境を整備しました。さらに、援助申請案をまとめ、日本のODA案件とすべく、パラオのナカムラ大統領の支持を得て、ミクロネシア連邦、マーシャル諸島政府と協議を行うことができました。(3 年継続事業の 2 年目) |
実施者・・・・ミクロネシアンセミナー
Micronesian Seminar /ミクロネシア連邦(部分助成)
事業年数・・・3年継続事業の1年目
1999年度事業費・・・・2,459,716円
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急激な近代化が進む中で、ミクロネシア地域の人々は、必ずしも社会問題に関して十分な認識をしていないというのが現状です。その一方で、2万人以上のミクロネシア人が故郷を離れ、海外で就労・留学し、帰国後、母国の現状に対応できないという状況もあります。 本年度は、20年以上にわたりこの地域の社会問題を研究しているミクロネシアンセミナーが所有する資料をデジタル処理し、Webを開設しました(http://www.micsem.org)。Web上にフォーラムを設け、現代のミクロネシア社会が抱える諸問題についてディスカッションを行いましたが、各トピックスについて毎回10人から20人の参加者が活発な議論を展開しました。さらに、将来、参加者が本セミナーを受講することで域内の短期大学の単位が取得できるよう、関係機関との協議も行いました。(3 年継続事業の 1 年目) |
[HP]