”ASEANにおけるミャンマー”会議

9,247,176円  [自主・委託] 
笹川平和財団・Information and Resource Center(シンガポール)
1998年度 (単年度事業)

1995年にベトナムがASEANに加盟して以来、東南アジア地域では、カンボジア、ラオス、ミャンマーを含む”ASEAN 10”を目指す動きがにわかに活発化しました。
これら旧東側諸国のASEANへの円滑な加盟を促進するために95年度から開始された「ASEAN加盟支援」事業では、最終年の97年度に、事業のコンポーネントの1つとして“アジアの建設的関与”会議をバンコクで開催しました。
 この会議では、ASEAN加盟国による新たで積極的かつ建設的な仲裁ならびに干渉が、域内の安定、協力のために不可欠であるという方向性が示されました。しかし、ミャンマーおよびカンボジアの国内問題の具体的な解決策については、課題として残されることになりました。
 そこで本事業では、国内問題の解決とともに他のASEAN加盟国との関係強化が急務とされるミャンマーについて、近隣諸国の建設的関与のあり方を具体的に考える機会を提供することを目的として、”発展への対話:ASEANにおけるミャンマー”と題する会議を98年10月、ミャンマーの首都ヤンゴンで開催しました。
 ミャンマーをとりまく国際社会の情勢にも影響され、一時は開催延期の危機にも直面しましたが、最終的には当財団、シンガポールの情報資源センター、ミャンマー戦略問題研究所の共催という形で、98年10月23、24日の2日間にわたってこの会議は開催され、150人もの参加者を動員するに至りました。
 会議は、”21世紀のアジアの将来とASEANの役割”、”アジアにおける経済の安定と将来に向けての経済見通し”、”ASEANにおける制度上の発展”、”ASEAN加盟国としてのミャンマー:発展にむけての協力”という4つのパネルで構成され、ミャンマーを含めたASEAN全体の発展のあるべき姿、およびミャンマーに対するASEAN各国の協力のあり方が模索されました。
 97年7月以降、東南アジア全域に広がった通貨危機は、ASEANの国々に、経済的改革のみならず、政治的改革を促す結果になりました。しかし、これら一連の危機は、ASEANの存在自体を再考、強化する契機となり、会議は終始、危機をともに乗り越えようとするASEANの連帯感に支えられて進行しました。
会議では、ミャンマーの憲法制定問題、人権、民主化の問題も取り上げられ、予想以上に建設的な意見交換の場となりました。会議そのものがミャンマーに対する建設的関与の具体化であったといえるでしょう。


ミャンマーの近代化と国内資金動員

13,306,748円 [助成]
Institute of Southeast Asian Studies(ISEAS/シンガポール)
1998年度〜1999年度 (2年継続事業)

本事業は、ミャンマーの長期的な発展に欠かせない国内金融資源を増強するために、近代的な金融機関の創設や金融仲介機能の確立、信用秩序を維持するための金融政策の改善といった課題に係わる政策研究を行うことを目的としています。取り扱う研究テーマは、(1)国内資金動員の現状と問題点、(2)投資と貯蓄ギャップ、(3)金融深化の課題、(4)国内投資を促進するための金融システムの構築、の4点です。
1998年度は初年度として上記4点の政策研究を行い、さらに、ミャンマーの参加者が、日本および東南アジア諸国の学者、研究者と研究テーマに基づいて意見交換、経験共有するための国際ワークショップを開催しました。
本年度は、昨年度の研究成果を踏まえて、以下の活動を行いました。
99年4月に、助成先の東南アジア研究所(ISEAS)の担当者が、ミャンマー側の作業グループの協力を得て、ミャンマーの国内資金動員の方策に関する政策提言を作成しました。また、本事業の政策提言を含めた研究成果の原稿を『Financial Resources Development in Myanmar』と題する英文の書籍にまとめ、ISEASから出版しました。
この成果をもとに、12月17日〜18日、ヤンゴンで、日本、東南アジア諸国の協力者の参加を得て、ミャンマーの中堅政策担当者、実務家、学者・研究者約150名を対象にセミナーを開催しました。セミナーでは、本事業の研究成果を公表し、ミャンマーの市場経済化の強化、そして近代化に欠かせない国内の資金動員に関わる金融政策および金融システムの制度確立・創設に関連する提言を行いました。
2年にわたる活動を通じて、ミャンマーが直面する国内貯蓄や資金動員に係わる様々な問題点を体系的に整理することができました。ミャンマー政府に対して近代的な金融機関の創設を促したほか、金融仲介機能の確立、信用秩序を維持するための金融政策の改善等を誘発するための制度および政策の枠組みが明らかになりました。本事業は、今後のミャンマーの金融システム改革の道すじを示したと言えるでしょう。加えて、本事業を契機に、ミャンマー、東南アジア、日本の学者・研究者・政策担当者や実務家の人的ネットワークの強化に寄与したと同時に、日本、東南アジア諸国、そしてミャンマーとの連携型援助の有効性を確認することができました。


ミャンマーとカンボジアの域内協調戦略

15,537,181 円 [助成]
財団法人 平和・安全保障研究所
1998年度〜1999年度 (2年継続事業)

シンガポール、タイ、マレーシア、ベトナムなど、周辺諸国の着実な経済発展を尻目に、ミャンマーとカンボジアは、現在に至るまで東南アジアにおける経済的発展と協力の枠組みの外に位置し、政治的に独自の路線を歩んできました。しかし、ミャンマーは1997年夏、カンボジアは99年春、それぞれ念願のアセアン加盟を果たし、同地域の経済的発展と協力の枠組みの新メンバーとなりました。政治的にも経済的にも、ミャンマー、カンボジア両国は、いま、重大な岐路にさしかかっています。
 本事業の目的は、このような状況の下で、両国を取り巻く国際環境の推移や内政上の変化が、両国の政治・経済・外交・安全保障などにどのように影響を及ぼしているかを、包括的な調査で内外に明らかにし、情報を発信することです。同時に、日本および周辺諸国と両国の将来にわたる研究ネットワークの構築に資することも目指しています。  日本側はまず、亜細亜大学アジア研究所・友田錫教授を主査とし、各地域および安全保障の専門家5人から成る研究委員会を組織しました。ミャンマー側はミャンマー戦略国際問題研究所(MISIS)、カンボジア側はカンボジア平和協力研究所(CICP)を協力機関とし、以下の調査を実施しました。
 まず1年目は、ミャンマーについては主に97年アセアン加盟後の変化を、カンボジアについては98年7月に行われた総選挙後の同国の行方を、政治・経済・外交・安全保障という包括的な視点から調査しました。具体的には、上記研究機関研究者のほか、両国の政策担当者、政治家、外交官、NGO関係者、さらにはジャーナリストに至るまで、幅広くヒアリング形式の調査を行い、調査結果を中間報告書(英文および和文)にまとめて、関係各機関に提出しました。
 2年目には、1年目に実施した調査を基本的に踏襲しながら、ミャンマー軍政と野党勢力との対話、カンボジアのアセアン加盟問題、ポルポト派を巡る国際法廷設置の行方、さらには両国への中国の影響なども含めて、調査内容を深化させました。その結果、ミャンマーについては、経済制裁を巡って日米の政策協調の必要性があらためて浮き彫りにされ、またカンボジアについては96年以来開催されていなかった支援国会合が99年2月東京で再開されるなど、すでに安定期に入ったことが確認されました。


域内循環システムによるミャンマー・シャン州流域環境改善

14,794,157円 [助成]
財団法人 カラモジア
1998年度〜2000年度 (3年継続事業)

本事業は、ミャンマーの中でも特に貧困といわれる少数民族(シャン)の居住地域、シャン州南部流域に、我が国の南九州地方の畜産公害処理等の環境技術を移転し、同地域の環境改善に役立てようというものです。それとともに、合鴨農法等の独自技術の指導と技術移転により、同地域の農業開発をも狙いとしています。
 日本人専門家3人がミャンマーを訪れ、合鴨農法、地域循環システム農法等の独自農法について、シャン族農民を対象に講習を行いました。また、ミャンマーからは研修生2人が日本を訪れ、研修に必要な日本語の他、しいたけ栽培、芋づくり、林業等の基礎を学びました。


ミャンマーとASEAN:信頼関係の深化に向けた対話

26,286,289円 [助成]
Information and Resource Center(シンガポール)
1999年度〜2001年度 (3 年継続事業)

 本事業は、ASEANの有識者グループ、国家和平発展評議会(SPDC)、国民民主連盟(NLD)の対話を促進し、ミャンマーとASEANの信頼関係の深化を目的としています。しかしながら、ミャンマー側の国内政治の解決の糸口が依然としてみつからず、ミャンマーの関係グループとASEANの有識者による非公式な対話が困難であることが判明しました。そのため、従来予定していたワークショップの代わりに、2000年3月28〜29日の2日間にわたって、「21世紀におけるミャンマー」と題する国際会議を開催しました。当国際会議には、SPDC側の代表とASEANの有識者約150人の参加を得て、ミャンマーのグローバル化から情報化、伝統文化、人的資源開発、安全保障戦略等についての討議がなされました。


ラオスにおける経済政策研究能力の強化

16,038,912円 [助成] 
The Malaysian Institute of Economic Research(MIER)/マレーシア
1999年度〜2001年度 (3 年継続事業)

 笹川南東アジア協力基金では、1995年度より3年間、「インドシナ/アセアン加盟支援」事業を実施し、当基金対象4か国(ベトナム、カンボジア、ミャンマー、ラオス)において、アセアン加盟後の経済運営がスムーズに運ぶよう、周辺国のノウハウを移転してきました。ラオスでは、97年7月のアセアン加盟を受け、国家計画委員会の傘下に国立経済調査研究所を設立し、経済政策立案のための本格的な研究能力強化に着手しました。
 本事業は、同研究所を中心とする経済政策担当者のキャパシティ・ビルディングのために、マクロ経済学などのトレーニング及び実際の調査・研究のための助言と指導を実施するものです。本年度は、2000年2月に、財政省、商業省などを含む政策担当者30人に2週間の研修プログラムを実施しました。


ラオスにおけるアセアン経済協力の理解促進

2,598,950円 [自主・委託]
笹川平和財団・ASEAN Department, Ministry of Foreign Affairs, Lao PDR(ラオス)
1999年度 (単年度事業)

ラオスの1997年ASEAN加盟により、ASEAN諸国との経済交流は必然的に増大します。こうした状況の下、ラオスの行政官、企業家や研究者らに対して、ASEAN関連の知識、とりわけASEAN自由貿易圏(AFTA)に関連する知識を普及、浸透させることが急務となりました。このような背景に鑑みて、本事業は、パクセ、ルアンプラバン両地方において、地方自治体を含めた行政官、ラオスの商工会議所の代表、企業家ならびに学者・研究者を対象に、ASEAN域内の貿易と投資などにかかわる経済協力の現状と体制について理解を促進するためのワークショップを2回開催しました。これによって、ラオスの国内におけるASEANの経済協力の現状と体制への理解を深めることができました。