事業紹介

2009年
事業

スリランカ和平に向けての民間支援/フェーズII

事業内容
スリランカは1980年以来、シンハラ・タミルの間で断続的な内戦状態にあり、両民族の社会の分断は深刻な状態にある。準紛争状態が長期化する中で、スリランカ社会の統合性を保ちつつ、発展を促す基盤を作る上で、スリランカの政治レベルおよび草の根レベルに強い影響力を持つ宗教指導者(仏教、ヒンズー教、キリスト教、イスラム教)の果たすべき役割は大きい。当財団は2005~2006年度にかけて、宗教指導者を対象とした対話事業を実施した。対話事業の成果として、スリランカ各地に地元の声を汲み上げる4つの宗教の指導者からなる委員会が設置されている。スリランカの統合的な発展を長期的観点から促すために、同委員会の影響力を用いて次世代リーダーに対する啓蒙と能力向上に焦点を当てた活動が必要である。

本事業は、年6回の若手指導者対象の訓練ワークショップをスリランカ中部の都市アヌラーダプラで実施した後、そのフォローアップとして、地元コミュニティでの実践を励行することで、参加者の能力向上を図る。さらに、その中で優秀な参加者にはインドで実施されるリトリート会議への参加資格を与える。
単年度事業として以下の活動を実施する。

  • スリランカ国内における若手宗教指導者を対象とした訓練ワークショップ
    • 調整会議(2日間、ファシリテーター5名、現地参加者25名):
      フェーズIにおいてスリランカ国内に設置した宗教者委員会において若手指導者の人選・調整を行う。人選は、フェーズI事業に参加をしたシニアの宗教指導者からなる宗教者委員会による推薦・公募・面接等を通じ、民族・宗教構成を考慮の上、行う。
    • 若手指導者ワークショップ(6泊7日、13名、6回):
      アヌラーダプラにあるセワランカ財団の訓練施設にて実施する。ワークショップでは信頼醸成、相互理解の深化を目的としたファシリテーション、ポストコンフリクトの民族融和等を内容とする訓練を行う。
    • 地区レベルワークショップ(1日、25名、25地区):
      訓練終了後に、訓練の成果を地元で実践するため、参加者の出身地域における車座集会などの活動を通じて、参加者の能力向上を図ると同時に、コミュニティレベルにおける異宗教・民族間の相互理解を促進する。また全国の宗教者による集会を年2回開催し、政治家に対する働きかけを行う。
  • 第三国におけるリトリート会議(2010年2月、7日間、30名、於インド)
    訓練ワークショップ参加者の中で特に優秀な25名を選抜し、インドでリトリート会議を開催する。講師としてシニア宗教指導者など5名が同行し、合計30名に対し日常から離れた場で、議論を促す環境を提供する。

事業実施者 セワランカ財団(スリランカ) 年数 1年継続事業の1年目(1/1)
形態 自主助成委託その他 事業費 12,000,000円