
パーセント法運用編
それでは実際に納税者の使途指定はどのような手続きを経て行われるのでしょうか?
国によって様々な方式がとられていますが、大きく言って、納税者の使途指定を受け税務当局が一連の手続きを行うハンガリー方式と、納税者が使途指定に関わる資金を直接団体に送金した上で税務機関に報告するポーランド方式とに分けることができます。
スロバキア、リトアニア、ルーマニアでもおおむねハンガリーと同様、税務機関が手続きを行うことになっており、ハンガリーを含むこれらの国々では納税者の守秘義務のため、受益団体はまとまった金額を受け取るだけで個々の使途指定者についてはわからない仕組みが工夫されています。
また、ハンガリーでは1納税者につき1団体のみの指定ですが、スロバキア、リトアニアでは指定のための最低金額を満たしていれば、複数の団体への使途指定が可能です。
ポーランドについては使途指定の目的で団体に納税者が直接送金を行ったあとで、実際にその分が課税対象金額から差し引かれるまでに翌会計年度まで待たなければならない、という点が国民に不興を買っているようです。
ただし、米国に在住された方はご存じかと思いますが、これは寄付行為を先に行って確定申告時に寄付金額を課税対象から控除する手続きを取るという米国の仕組みと、本質的には異なるものの手続きの仕方としては似ているように思え、このシステムに慣れてしまえばそれほど問題はないのではないかと個人的には感じています。
●ハンガリー、スロバキア、リトアニア、ポーランドの特徴の比較
使途指定までの手続き〔ハンガリー方式〕
- 納税者が使途指定を決定
〔期限:3月20日の確定申告締め切り日まで、但し自営業者は2月15日〕
- 使途指定金のためのフォーマットに団体のTIN〔Tax Identification Number〕を記入する。
- 確定申告書類と使途指定のフォーマットを一緒に封書に入れ、税務機関に提出する。
- 税務機関による使途指定申告書の審査
- TINが有効であるか
- 納税者に滞納等の問題はないか
- 税務機関からの通知
- 受益団体へ 〔申告が有効であった場合。通知の期限:9月1日〕
- 納税者へ 〔申告が無効であると判断された場合、理由も付す〕
- 受益団体による書類の整備・税務機関への提出
〔税務機関からの通知受領後30日以内〕
以下の書類を提出し、使途指定金を受け取る意思があることを表明する。
- 設立の際の文書
- 裁判所発行の登録証明
- 公的機関からの債務がある場合、当該使途指定金によって債務の返却をする意思があることを表明する文書
- 設立後1年以上2年未満の団体については、特に公的な活動をしていると認められるために政府機関との当該公益活動に関する契約書
- 美術館、図書館等については中央政府もしくは地方自治体からの支援を受けている事実を証明できる文書
- 税務機関による受益団体からの提出書類の審査・結果の通知〔受益団体・財務省〕
- 国庫より受益団体へ送金 〔期限:11月30日〕
- 受益団体からの報告 〔期限:使途指定金を受領した翌年の10月31日〕
受益団体は、使途指定を受けた金額、使途、未使用分についての金額と使用予定を記載した報告書を新聞等に公表すること、そのコピーを然るべく保管しておくことが義務づけられている。
●指定制度の流れ(ハンガリー)
|