NPO小辞典


夜郎自大
 夜郎(やろう)とは中国南西部、現在の貴州省の西部にいた(漢民族から見た)異民族。その王が漢の強大さを知らずに、尊大な態度で漢からの使者に対したという故事(史記)から、自分の力量を知らないで、幅を利かす態度をとるたとえ(広辞苑)。NPOの世界では出羽守の逆に、国際的な動向に無知無関心であったり、過去の失敗に学ぼうとしない態度からこれに陥るケースが間々見られる。あるいは、自分の思い入れや善き動機が、それ自体でほとんどの批判に対する解答になっている、という客観的な分析能力の欠如がこれに近い態度をとらせている場合もある。

NPOセョシュナオ・ネ・テ・ラ・レ。シ・ク

幽霊法人
休眠法人」を見よ。

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ゆで蛙
蛙をいきなり熱いお湯に入れれば、ぴょんと飛び出してしまう。しかし、入っている水の温度をゆっくり時間をかけて熱くしてゆくと、それと気づかぬ間にゆであがって死んでしまう。というもの。本当にありうる話なのかどうか確かめたことはないが、環境を与件としてとらえていると、適応を続けてているうちに自己否定ないしは自己破壊に到ってしまうという寓話である。

NPOがある特定の資源に依存し続けて、少しづつその資源提供者の無理難題を聞き入れているうちに、いつしか自主性を喪失する場合とか、百年の歴史の中で、民法の公益法人がお役所の「指導監督」に慣れてしまって、本来ガバナンスの見地からは許してはならない一線を超えてしまうような場合にぴったりの表現である。

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よき企業市民
Good Corporate Citizenshipの日本語訳。企業の社会貢献もほぼ同義。企業は良いものを安価に、そして沢山市場に供給することによって社会に貢献する。それに加えて、市民と同じように企業をとりまく社会環境をよりよくすることに対して応分の力を注ぐべきだ、とする考え方。具体的な方法としては、公益事業に対する寄付、同旨の事業を行なうための企業財団の設立、社員ボランティア活動の奨励あるいは援助などがある。ひところさかんだった企業メセナもこの一環である。周知のように、この考え方に対しては株主に対する背任行為だとか、恣意的な企業の公益部門への介入だとするフリードマン、ハイエクなどの反論もある。

社会環境整備に対する企業の極めて永い期間を見越した投資、つまりより次元の高い自己利益(enlightened self interest)のためである、という考え方が賛否両論の間に存在しうるように思われる。本業に何の関係もないことをしようとする、という態度は別に責められることでもないが、逆にそのほうが下心のない立派なことだというのでもない。一過性の衝動的な行為であるに留まらず、持続的に、かつ企業が自身の問題であるとして取り組むためには、この考え方のほうが適しているかもしれない。NPOに対する企業経営のノウハウ、技術といったものの転移が望まれているが、おそらくは長期投資という視点はそれをより容易にするであろうし、同時に企業にとっても「いま」の時代を超えた要請に対する感性を磨くことは得策なのではないか。

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予防外交
Preventive Diplomacy つまり、紛争が起こってしまってからそれを解決しようとするのでは遅い。紛争を未然に解決する、紛争を予防することこそ大事なことだとする考え方。そしてそのためには政府や公的機関のみならず、NPOを中心とする民間の努力や活動(所謂two-truck diplomacy )が同様に大事であるとする。

特に最近の武力紛争が「国内」紛争の色彩を強め、兵士よりは一般市民の死傷者が激増するようになると同時に、国連を中心とした国際機関の介入・調停能力に限界が見え始めたことから、その必要性が認識されるようになってきた。歴代の国連事務総長、特に先のプトロス・ガリ、そして何人かの日本の外務大臣も公式の場でこの考え方に支持を表明している。憲法9条の制約下にある日本の外交活動としては極めて有望な方向と思われる。

この考え方に反対する人はいない。しかし、問題はいかにして具体的に行動に移すことが可能か、特にNPOとしていったい何ができるのか、という点であろう。

紛争の原因を極めて広義に解し、貧困、経済的不平等から人権問題、さらには教育、メデイアといった社会・文化的インフラ一般の水準向上がその予防に役立つ、という見方をすれば、その可能性は大きく広がる。逆に狭く解して、紛争勃発の危機が相当程度に高まってきている地域において、その危険を世界に知らせたり、現地における緊張状態緩和のために何ができるか、ということになれば、かなりの専門的教育と組織的な対応が要求されよう。いづれにしても、明確な目的意識と資源を動員したNPOの活動は十分に可能であり、かつ強く望まれているといってよい。

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