Preventive Diplomacy つまり、紛争が起こってしまってからそれを解決しようとするのでは遅い。紛争を未然に解決する、紛争を予防することこそ大事なことだとする考え方。そしてそのためには政府や公的機関のみならず、NPOを中心とする民間の努力や活動(所謂two-truck diplomacy )が同様に大事であるとする。
特に最近の武力紛争が「国内」紛争の色彩を強め、兵士よりは一般市民の死傷者が激増するようになると同時に、国連を中心とした国際機関の介入・調停能力に限界が見え始めたことから、その必要性が認識されるようになってきた。歴代の国連事務総長、特に先のプトロス・ガリ、そして何人かの日本の外務大臣も公式の場でこの考え方に支持を表明している。憲法9条の制約下にある日本の外交活動としては極めて有望な方向と思われる。
この考え方に反対する人はいない。しかし、問題はいかにして具体的に行動に移すことが可能か、特にNPOとしていったい何ができるのか、という点であろう。
紛争の原因を極めて広義に解し、貧困、経済的不平等から人権問題、さらには教育、メデイアといった社会・文化的インフラ一般の水準向上がその予防に役立つ、という見方をすれば、その可能性は大きく広がる。逆に狭く解して、紛争勃発の危機が相当程度に高まってきている地域において、その危険を世界に知らせたり、現地における緊張状態緩和のために何ができるか、ということになれば、かなりの専門的教育と組織的な対応が要求されよう。いづれにしても、明確な目的意識と資源を動員したNPOの活動は十分に可能であり、かつ強く望まれているといってよい。
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