About Us(島嶼資料センターについて)

海洋政策研究所島嶼資料センターは、日本の島嶼をめぐる様々な問題に関連する文献等の史資料を収集・整理を行うことを目的に、2012年に設置されました。同センターは、日本の島嶼の問題について特に歴史的経緯と国際法による分析に焦点を当て、学術的な立場から研究を行っています。

四面環海の日本は、6852の島々から構成される島嶼国家です。島嶼国家の日本が、将来にわたって平和的に存続するためには、そして周辺諸国と共存共栄の関係を構築するためには、国民がこれら島々に対する「正しい理解」を有していることに加え、この「正しい理解」を国際社会と共有できていることが不可欠です。「正しい理解」とは、すなわち気候や歴史風土、地理的特性に関する知識だけではなく、産業など社会的側面に至るまで、個々の島々の属性を多面的に理解することを意味します。

近年、日本の一部の島嶼について、近隣周辺国との間に領有権をめぐって主張の対立が生じています。これらの事例においては、それぞれの国家の主張を根拠とした様々な情報が国際社会に流布され、歴史的経緯の解釈の相違も相まって混沌とした状況を生じさせ、当該関係国間の関係悪化を招く事態となっています。東アジア地域の諸国が安定的な発展を図るためには、これら島嶼問題についての「正しい理解」を関係国のみならず国際社会も共有することが肝要であり、とりわけ歴史的経緯と国際法上の検討は、平和的な解決に向けて不可欠といえます。

このような状況に鑑み、島嶼資料センターは、学術的な立場からの分析結果を国内外へ情報として発信することで、国内のみならず国際社会とも「正しい理解」を深く広く共有することを目指しています。